◆GOLD
2010年7月8日からフジテレビ系列で放映。木曜10時枠。
自分の子供たちを一流アスリートに育て上げるために奮闘するセレブ女性と家族の葛藤を描いたホームドラマ。
主演は、「不毛地帯」以来の連続ドラマ出演となる天海祐希。長澤まさみのほか、「BOSS」でも共演した反町隆史も登場する。
⇒GOLD 動画(最終回の結末に注目!)
◆GOLDの主題歌
Superfly 「Wildflower」
◆GOLDの出演者
早乙女悠里 ...... 天海祐希
新倉リカ ...... 長澤まさみ
早乙女洸 ...... 松坂桃李
早乙女廉 ...... 矢野聖人
早乙女晶 ...... 武井咲
早乙女朋 ...... 大江駿輔
早乙女修一 ...... 水上剣星
明石辰也 ...... 寺島進
丹波聖子 ...... エド・はるみ
相馬幸恵 ...... 賀来千香子
蓮見丈治 ...... 反町隆史
◆GOLDのスタッフ
脚本:野島伸司
音楽:千住明、池頼広
プロデュース:東康之
演出:河毛俊作、加藤裕将、石井祐介
制作:フジテレビドラマ制作センター
◆GOLDの視聴率
| 各話 |
放送日 |
サブタイトル |
視聴率 |
| 第1話 |
2010年7月8日 |
女社長、愛と涙のスパルタ天才教育法! |
12.3% |
| 第2話 |
2010年7月15日 |
女の子の育て方...妊娠騒動勃発! その時、母は? |
11.5% |
| 第3話 |
2010年7月22日 |
涙...母と娘の決別! |
10.1% |
| 第4話 |
2010年7月29日 |
焼かれた人形-子を亡くした全ての母へ 二人の母親の絆 |
9.6% |
| 第5話 |
2010年8月5日 |
真夏のプールサイド 母は長男を抱いた 愛する兄の死の真相 |
8.6% |
| 第6話 |
2010年8月12日 |
DNA鑑定の結果は? 娘を狙う男の真実-愛を亡くした運転手の悲劇 |
7.2% |
| 第7話 |
2010年8月19日 |
号泣! 最愛のわが子を失う母親 - 衝撃の三男の秘密 |
7.0% |
| 第8話 |
2010年8月26日 |
母親失格-サヨナラ子供たち |
7.2% |
| 第9話 |
2010年9月2日 |
息子の命と引換えに...悲しき母最後の賭け |
8.4% |
| 第10話 |
2010年9月9日 |
誰か助けて! もう限界よ...哀しき母の最後の叫び |
7.0% |
| 最終回 |
2010年9月16日 |
最終回...死なないで! 母と子の号泣の結末 |
8.7% |
◆GOLDのあらすじ 最終回 ネタバレ注意!
第1話「女社長、愛と涙のスパルタ天才教育法!」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、都内でスポーツジムやエステ事業を展開するYSコーポレーションの社長。カリスマ美容研究家としてマスコミからも引っ張りだこの悠里は、子どもの教育に関する著書も出版し、その独特の教育論で注目を浴びていた。
悠里は、子どもには小学校6年生までにベースメイクとして礼儀や我慢強さを徹底的に教え込む必要性を説き、そうして育った心も体も美しい子をビーチャイ=ビューティフルチャイルドと呼ぶと、反対に現代社会にはびこる心の貧しい子どもをプアチャイルドと呼んで大きな論争を巻き起こしていた。
そんな悠里が、人生のすべてを捧げて取り組んでいるのが、オリンピックの金メダリストを育てることだった。悠里には、競泳のオリンピック代表選手で、金メダル確実と言われながら本番直前に事故で他界した兄・修一(水上剣星)がいた。最愛の兄の夢をかなえるため、悠里は、ソウルオリンピックのレスリングで金メダルを獲った明石辰也(寺島進)と結婚した。
それは、自分に欠けていた筋力と持久力を補う、優秀な遺伝子を手に入れるためだった。悠里は、そうして生まれた子をビーチャイに教育し、長男の洸(松坂桃李)は競泳、次男の廉(矢野聖人)は陸上、長女の晶(武井咲)は高飛び込みで、それぞれロンドンオリンピックの代表候補選手にまで育て上げていた。
悠里にとって一番の理解者は、洸たちのトレーナーで、YSコーポレーションのジム総責任者でもある蓮見丈治(反町隆史)だ。丈治は、かつて修一と日本代表の座を争うほどの競泳選手で、事故死した修一に代わってオリンピックにも出場していた。孤児だった丈治は、その才能を悠里の父・惣一(夏八木勲)に見出され、修一や悠里と兄弟同然に育てられた人物でもあった。
ある日、悠里は、新しい秘書の面接を行った。そこにやってきたのは、失恋をきっかけに、自立した女性になろうと決意して応募してきた新倉リカ(長澤まさみ)だった。高学歴の応募者が多数いる中、何故か合格したのはリカだった。それは、採用試験の際に、体が弱いために小学校にも行っていないという悠里の三男・朋(大江駿輔)に気に入られたからだった。
合格を喜んだのもつかの間、リカは、ただちに会社の寮に引っ越すよう悠里から指示される。寮の隣室には、悠里と別居中の辰也が暮らしていた。
リカは、悠里から、丈治やエステ部門の責任者である相馬幸恵(賀来千香子)を紹介される。丈治たちから、今度の秘書はいつまで持つのか、などと言われながら、必死に仕事に取り組むリカ。悠里は、そんなリカにあることを命じた。それは、スランプなのか、思うようにタイムが上がっていない長男の洸に、1秒縮められたらキスをしてあげると約束しろ、というものだった。
プールを訪れたリカは、悠里に言われた通り、練習をしている若い男にキスの約束を持ちかけた。だが、実はその相手は、洸ではなく、水泳トレーニング中の廉だった。廉は、リカの申し出を受けて泳ぎ始め、あなたのおかげで世界記録が出た、と言って彼女の頬にキスをした。
同じころ、悠里は、とあるバーで丈治と会っていた。その店は、かつて辰也が悠里からの資金援助で始めたものの、すぐに潰してしまった店だった。そこで丈治は、辰也と離婚して女としての幸せを考えるべきだと提案すると、「俺じゃダメか?俺じゃ、子どもたちの父親として不服か?」と切り出す。それに対して悠里は、子どもたちの誰かがゴールドを手に入れるまで女としての幸せなんかほしくない、と答え...。
その夜、悠里、リカ、丈治、そして洸たちは、夕食をともにする。悠里は、どんなに忙しくても、子どもたちの食事はすべて作っていた。そこでリカは、プールで声をかけた相手は、洸ではなく廉だったことを知る。
その席で、悠里は、陸上部に退部届を出したことについて廉に尋ねた。すると廉は、部活だけでなく、走ることを止めたい、と言い出す。廉は、他にも楽しいことはあるのだから、自由に、自分らしく生きたい、というのだ。ビーチャイとしてマスコミに取り上げられることだけでなく、早乙女家の悲願や修一の話にもうんざりする、と言い放つ廉。悠里は、気持ちはわかったから好きなようにしなさい、と廉に告げると、いますぐこの家から出て行くよう命じた。戦うことを止めた人間は、早乙女の家には置いておけない――悠里は、そう言い切った。
廉は、リカとともにタクシーに乗って早乙女家を後にし、辰也のもとに身を寄せた。
あくる日、丈治は、晶の練習に付き添っていた。そこで晶は、自分がいるのだから、廉も洸も止めたいのなら止めればいい、と言うと、ロンドンオリンピックまでに世界ナンバー1の選手を超えてみせると自信を見せた。続けて晶は、悠里や早乙女家の悲願のためではなく、丈治のためにオリンピックでゴールドを獲る、と宣言する。「そうして、インタビュアーにこう言うの。この人が私のトレーナーで、愛する人ですって」。丈治は苦笑するが、どうやら晶は本気のようだった。社長室にいた悠里は、そんなふたりのやり取りをモニターで見ていた。
悠里とリカが、エステルームで試作品のチェックをしていると、そこにエステティシャンの千恵子(小林まり枝)がやってきていきなり土下座した。千恵子は、太ったことを悠里にとがめられ、1週間以内に8kg痩せるよう命じられていたが、2kgしか痩せられなかったのだという。悠里は、泣いても無駄だと冷たかった。
するとリカは、悠里の許可を得ずに、減給と痩せるまでは接客をしないよう千恵子に命じた。不当解雇だと訴えられたり、逆恨みされたりしないように社長を守ることも秘書の仕事だ、というのだ。そのとき悠里たちは、掃除婦とすれ違った。その女性こそ、悠里の教育論に反発して激しいクレームの電話をしてきた相手、丹羽聖子(エド・はるみ)だった。
第2話「女の子の育て方...妊娠騒動勃発! その時、母は?」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、長女の晶(武井咲)とともに雑誌連載用の取材を受ける。そのグラビア撮影を担当したのは、今風のイケメンカメラマン・宇津木洋介(綾野剛)だ。早乙女ファミリーの大ファンだという宇津木は、さっそく晶とメールアドレスの交換をする。それを見た新倉リカ(長澤まさみ)は、晶のことを心配していた。だが、悠里は、晶なら大丈夫、と気にも留めていなかった。
今回の連載のテーマは、女の子の育て方についてだった。編集者から、女の子を育てる際、そのベースメイクとしてもっとも重要なことは何か、と問われた悠里は、正義感だと答えた。それは、愛だけを真っ直ぐに見つめる、という意味だという。しかしそれは、特に女子の場合、ある理由から守ることが困難でもあるのだという。買い物脳――欲求として、買い物をすると幸せを感じるという買い物脳を持つ女性の場合、結婚相手に経済力がないとそれが満たされなくなるためらしい。
取材を終えた悠里のもとに、長男の洸(松坂桃李)と別れたばかりの元恋人・椎名涼子(波瑠)がやってくる。涼子は、洸の子どもを身ごもっており、産みたいのだという。悠里からそのことを知らされた洸は、涼子に連絡して中絶をさせる、と言い出す。洸のコーチでもあるジムの総責任者・蓮見丈治(反町隆史)もそれに賛成した。しかし悠里は、洸には逃れられない責任があるとして、早乙女家のDNAを持つ、生まれてくる子の味方をすると言い切る。
あくる朝、悠里のもとに、聖子(エド・はるみ)からまたクレームの電話が入った。黙って話を聞いていた悠里は、ふいに名前を尋ねた。言葉を失う聖子。すると悠里は、名前が言えないのなら幽霊と一緒で存在しないのだから、そんな人の言葉など耳に届かない、と言い放って電話を切った。
別居中の夫・辰也(寺島進)に呼び出された悠里は、かつて辰也が経営に失敗し、現在は悠里のプライベートバーになっている店で待ち合わせる。そこで辰也は、陸上競技を止めて自由になりたいと言い出し、悠里から早乙女家を出るよう命じられた次男・廉(矢野聖人)の件を切り出した。廉を早乙女家に戻してやれないか、というのだ。悠里は、そんな辰也に、廉を上手く乗せて、陸上競技を続ける気にさせてほしい、と頼む。
廉のことは、洸たち兄妹も心配していた。何より、洸や晶は、廉が何故突然陸上を止めると言い出したのか、疑問に思っていた。洸は、悠里に謝るべきだと廉に提案した。しかし廉は、後悔はしていない、と答える。
そんななか、悠里のもとに、涼子が父親・哲夫(平田満)をともなってやってくる。悠里が予想した通りだった。悠里は、最初から涼子が妊娠していないのではないかと疑い、丈治に調査を頼んでいたのだ。悠里たちは、哲夫がリストラされて生活に困っていることも掴んでいた。
社長室を訪れた哲夫は、涼子を説得して中絶させることにしたが泣き寝入りはしない、と言い、悠里に1000万円の慰謝料を請求した。それを了承した悠里は、小切手を切り、洸の目の前で涼子に渡そうとした。しかし涼子は、その小切手を受け取ることができず、妊娠が嘘であることを告白する。そんな涼子に対して、悠里は、滞っている大学の学費やその後の就職までサポートしてもいいと、告げる。ただし、哲夫と親子の縁を切ることが条件だと続ける悠里。娘の『女』を売ろうとした人品の卑しい男を切り捨てろ、というのだ。しかし涼子は、その申し出を断り、父を促して社長室を後にする。
事の成り行きを見守っているうちに泣きだしていたリカは、涼子を見送ってあげてほしい、と洸に訴えた。洸の前でみじめな姿をさらしても涙ひとつ見せないで気丈に振る舞った涼子のために、見送ってほしいというのだ。洸は、リカの言葉を受けて、社長室を飛び出し、涼子の後を追った。洸は、涼子に「ありがとう」と声をかけた。その言葉に、涼子は小さく微笑んで頷いた。
リカは、でしゃばってしまったことを悠里に詫びた。すると悠里は、「よく言ってくれたわ。別れ際が、男子の人品よね」とリカに返した。
同じころ、辰也は、公園で廉とアイスを食べていた。陸上に復帰するよう、辰也が説得しようと思っていることを察していた廉は、左胸を指して、爆弾を抱えているから無理だと答えた。
別の日、丈治は、悠里にプロポーズしたことを晶に打ち明ける。ショックを受けた晶は、練習を止めて出て行ってしまう。
何もすることがなく夜の街をぶらついていた廉は、晶が若い男の車に乗り込むところを目撃する。その相手とは、カメラマンの宇津木だった。
その夜、悠里のもとに、再び聖子から電話が入る。そこで聖子は、初めて悠里に自分の名前を告げ...。
第3話「涙...母と娘の決別!」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)の会社『YSコーポレーション』では、児童施設の子どもたちのために定期的に水泳教室を開いていた。コーチを務めるのは、ジムの総責任者・蓮見丈治(反町隆史)や悠里の長男・洸(松坂桃李)だ。悠里は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)に、こうした事業が偽善だという批判を受けても、子どもたちを見捨てられない特別な事情がある、と告げた。それは、丈治も、彼らと同じ施設の出身だったからだ。
その夜、珍しく長女の晶(武井咲)が夕食の時間になっても帰ってこなかった。友人の家でごちそうになるというメールがあったらしい。それを知った洸は、弟の廉(矢野聖人)から聞いた話を悠里や丈治に打ち明けた。廉は、晶が若い男の運転する車に乗っている姿を目撃したというのだ。廉は、念のため男の車のナンバーを控え、洸に渡していた。悠里は、妹のことを心配している洸に、機会を見て晶と話をしてみる、と約束した。
ほどなく、晶の相手は、以前、悠里たちが取材で会ったカメラマン・宇津木洋介(綾野剛)だと判明する。宇津木は、晶の写真集の撮影も手がけることになっていた。最初に会ったときから宇津木のことを警戒していたリカは、写真集の契約を解除するか、カメラマンを変えるべきだと悠里に提言した。
晶が丈治に思いを寄せていることを知っていた悠里は、ふたりの間に何かがあったのではないか、と思い、丈治から事情を聞く。そこで丈治は、悠里にプロポーズしたことを晶に話しただけだと答えた。
晶の真剣な気持ちに対して、自分も真剣に答えたという丈治。悠里は、そんな丈治に、失望したと言い放つ。例え嘘をついてでも、晶のモチベーションを下げないようにすべきだった、と悠里は言うのだ。
その夜、仕事を終えたリカは、駅で偶然出会った丈治と飲みに行く。丈治は、酔いつぶれてしまったリカはを背負って、彼女のマンションまで送って行った。
同じころ、悠里は、別居中の夫・辰也(寺島進)を呼び出し、晶のことを相談していた。悠里は、心配ないはずだが何故か胸騒ぎがする、と正直に辰也に打ち明けた。辰也は、宇津木を呼び出して締めあげてもいいのではないか、と悠里に助言した。
あくる日、悠里は、度々クレームの電話をしてきている相手・丹羽聖子(エド・はるみ)から電話をもらう。聖子は、引きこもりの息子のことで心を痛めているようすだった。そこにやってきた丈治は、いきなりその電話を切ると、クレーマーの人生相談に乗るなんてどうかしている、と悠里を非難する。悠里のことが心配だと言うのだ。
悠里は、そんな丈治に、自分の心配をしろ、と言いだす。「あなたは、人の心配ばかりしている。だからダメだって言いたいの!」。悠里は、そう言い放つと、兄・修一と同じくらい才能がありながら、早乙女家に拾われたことに引け目を感じ、修一に勝つための努力もしなかった、と丈治を非難した。そう思っているうちに、丈治が持っていたはずの怒りにも似た熱情は消え失せ、二度と勝つことができない負け犬になったのだ、と...。
その夜、悠里が食事の支度をしていると、晶が友人に会う、と言って出かけようとする。そこで悠里は、カメラマンを変えることにした、と晶に告げた。すると晶は、丈治が悠里にプロポーズした件を持ち出し、「私の気持ちを知ってたくせに、酷いでしょう!」と悠里に怒りをぶつけ、出て行ってしまう。
別の日、悠里は、水泳教室に参加している児童施設の子どもたちとともに雑誌の取材を受ける。その最後、記者からコメントを求められた悠里は、コウノトリのたとえ話をした。コウノトリは赤ちゃんを待ちわびている人にかわいらしい命の贈り物として届けてきたがいまは違う。
赤ちゃんはいらないという大人が増えてしまった。困ったコウノトトリは、親がいなければ生きていけない弱そうな赤ちゃんを優先的に選んで届けた。その結果、親の数が足りなくなって余ってしまったのがあなたたちだが、本当は余ってしまったのではなく、あなたたちはきっとひとりでも生きていけると、コウノトリが選んだ強い赤ちゃんなのだ――と。
記者たちが帰った後、悠里は、もう一度子どもたちを集め、今度は丈治に話をさせた。そこで丈治は、自分も児童施設の出身だから意味のない同情はしない、と、前置きし、運動でも音楽でも絵を描くことでも何でもいいから、たったひとつ、自分の得意なものを見つけるよう助言した。他の子よりも得意なものだけを、命がけでやれ、というのだ。悠里も、丈治の言葉に同調して子どもたちに訴えた。
自分より上がいるなら努力して打ち負かせ、と。決して弱気になるな、と。例え恩がある相手でも絶対に引け目を感じたりせず、勝ちを譲るな、と...。「世の中が感動するのは、お前たちが勝ったときなんだ。親がいるやつじゃない。金持ちじゃない。お前たちがどんな世界でもいい、ゴールドを獲ったときなんだ」。丈治は、強い口調で子どもたちにそう言った。
悠里は、テレビで、親になる資格や覚悟について言及していた。親になる資格がある者だけが子どもを作って育てればいい、というのだ。リカから、それについてもう少し詳しく教えてほしい、と頼まれた悠里は、覚悟とは子どもが何か犯罪を犯したら、一緒に刑務所に入ることであり、資格とは犬を買飼えるかどうかだ、と答えた。世話ができるかどうかが、最低限の資格だと言うのだ。悠里は、リカにそう言うと、彼女をペットショップに引っ張っていき、犬を買わせてしまう。
あくる日、悠里は、宇津木を呼び、写真集のカメラマンを替えることにしたと告げる。宇津木もすでに、出版社側からその連絡をもらっていた。続けて悠里は、晶とは二度と会わないでほしい、と宇津木に命じた。すると宇津木は、自分からは二度と連絡をとらないと答える。そこにやってきた晶は、宇津木の隣に座って彼の手を握ると、挑むような目で悠里を見据え...。
第4話「焼かれた人形-子を亡くした全ての母へ 二人の母親の絆」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、長女の晶(武井咲)と交際しているカメラマンの宇津木洋介(綾野剛)を呼び出し、二度と晶に会わないよう言い渡した。すると晶は、ふたりの仲を認めないのならもうオリンピックを目指すのは止める、と宣言し、家を飛び出してしまう。悠里は、晶のトレーナーでもある蓮見丈治(反町隆史)や長男の洸(松坂桃李)に、その経緯を打ち明けた。丈治は、晶のことは自分がなんとかする、と悠里に申し出た。悠里は、そんな丈治に、晶の父親である明石辰也(寺島進)も一緒に連れて行ってほしい、と頼む。悠里は、宇津木という男の存在に、得体の知れない不安を感じていたからだった。
あくる日、悠里のもとに、エステ部門のスタッフ数人がやってきて、部長の相馬幸恵(賀来千香子)が過去に起こした事件について報告する。幸恵は、子どもを車の中に残したままパチンコに興じ、熱中症で死なせてしまった過去があるというのだ。客のひとりがたまたま幸恵の家の近所に住んでいたことがあり、一気にスタッフの間に噂が広まったらしい。黙って話を聞いていた悠里は、用件はわかったと答えると、仕事に戻るようスタッフに命じた。
秘書の新倉リカ(長澤まさみ)は、悠里がすぐに幸恵の件を調査しないことに疑問を抱く。すると悠里は、幸恵と出会ったときからそのことは知っていた、とリカに告げる。実は悠里は、幸恵が事件を起こした日、すでに息のない息子を抱えて激しく取り乱している彼女の姿を病院で偶然目撃していたのだ。
その夜、悠里は、プライベートバーに幸恵を呼び出す。そこで幸恵は、このままエステ部門の責任者を続けると悠里に迷惑をかける、と自ら切り出した。しかし悠里は、今夜はその話は止めよう、と返した。
その翌日、リカは、悠里の次男・廉(矢野聖人)と犬の散歩に出かける。その際、リカは、何もしないでブラブラしている廉に、ひとつのことに一生懸命打ち込んでいる男子のほうが素敵だと思う、と告げた。すると廉は、心臓に病気を抱えていることをリカに告白し、「俺、母さんに不良品だと思われたくない...」と言って泣き崩れてしまう。
宇津木に関する情報を集めていた丈治と辰也は、数人の男たちに襲われる。丈治たちは、協力して男たちを撃退すると、宇津木のプライベート用だという携帯電話の番号を聞き出す。その番号に電話をすると、宇津木は、辰也とふたりだけなら会う、と答えた。
そんな中、事件が起きた。リカは、エステ用新製品のテストに協力するため、幸恵とともに個室ルームに入った。ところが、そのベッドの中に、焼け焦げた赤ん坊の人形が隠されていたのだ。それを見た幸恵は、ガクガクと震えだし、おう吐してしまう。
リカから報告を受けた悠里は怒りに震え、全社員をロビーに集めるよう、丈治とリカに指示した。社員たちを前に、悠里は、世の中が便利になり、文明が進歩しても人間の心だけは進化しない、と切り出した。子どもたちの世界だけでなく、大人の世界でも相変わらず行われているイジメ等の見苦しいことは、相変わらずのこと故に、何を言ってもそういう行為をする人間の本質は変わらないが、自分の周りでは絶対に許さない――悠里はそう宣言すると、幸恵と出会ったときに彼女が間違いなく自殺すると思ったこと、彼女が誰よりも自分を責めていたこと、自殺は逃避だと言って雇ったものの、それが彼女にとって本当に良かったことなのか悩んだこと等を皆に打ち明けた。そして悠里は、幸恵をこのままエステ部門の責任者として留め、不服がある者は辞表を提出するよう指示する。
同じころ、洸と廉は、祖父・惣一(夏八木勲)のもとを訪れていた。惣一から、晶も含め、3人で来るよう命じられたのだ。洸は、連絡が取れなかった晶のことを、カゼをこじらせた、と嘘をついてその場を取り繕った。そこで惣一は、修一(水上剣星)の死に関する怪文書が届いた、と洸たちに告げた。修一の死は、事故ではなく自殺だというのだ。しかし、それは事実で、惣一のもとには修一が書いた遺書があるのだという。洸と廉は、大きなショックを受けていた。
その夜、悠里のもとを訪れた幸恵は、辞表を提出する。有能なエステティシャンであるスタッフをつなぎとめておくには、彼女たちの意見を多く取り入れる必要がある、と幸恵は言うのだ。幸恵の決心が固いことを知った悠里は、涙をこらえながら辞表を受理し...。
あくる日、辰也は、喫茶店で宇津木と会った。そこで宇津木は、晶に手を出していない、と辰也に告げると、それには理由がある、と続けた。辰也は、宇津木の言葉を気にも留めず、晶がいるというマンションの鍵を受け取って立ちあがった。宇津木は、そんな辰也を呼び止め、晶とは血のつながりが近すぎる、と言い出す。「僕の父親は、早乙女修一です。自殺した...」。宇津木は、辰也にそう告げ...。
第5話「真夏のプールサイド〜母は長男を抱いた 愛する兄の死の真相」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、クレーマーだった丹羽聖子(エド・はるみ)とすっかり親しくなっていた。電話で話すだけの関係だったが、まるで友だちのように打ち解けるふたり。悠里は、どこかで会わないか、と聖子に提案した。だが、それに驚いた聖子は携帯電話を落とし、その拍子に電話が切れてしまう。
悠里のことを心配していた蓮見丈治(反町隆史)は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)に、電話の相手について調べるよう依頼する。悠里も、次男の廉(矢野聖人)や長女の晶(武井咲)のことで悩んでいて、引きこもりの息子のことで悩んでいるらしい電話の相手と痛みを共有したいと思っているのではないか、と丈治は考えたのだ。
そんな折、悠里は、晶と交際しているカメラマンの宇津木洋介(綾野剛)が、悠里の兄・修一(水上剣星)の息子だと主張しているという報告を受ける。宇津木は、明石辰也(寺島進)にそう告白し、それ故、晶とは男女の関係になっていないと断言したらしい。悠里は、宇津木の話を信じなかった。しかし丈治は、晶が宇津木と一緒にいる以上、きちんと調べて話をつける必要がある、と悠里を諭した。
あくる日、YSコーポレーションに廉がやってくる。久しぶりに悠里と対面した廉は、祖父の惣一(夏八木勲)から呼び出されたことを伝えた。惣一は、洸(松坂桃李)、廉、晶の3人に話がある、と言って自宅に来るよう命じたのだという。だが晶には連絡が取れなかったため、洸と廉はふたりだけで惣一を訪ねていた。その席で惣一は、修一の死に関する怪文書が送られてきたことに言及し、修一の死は事故ではなく自殺だ、と洸たちに告げた。廉は、自分同様、洸も大きなショックを受けていたことを悠里に告げると、そのことを悠里が知っていたかどうか確かめるために訪ねてきた、と続けた。廉は、確かめたくても怖くて確かめることができないでいる洸のために、知らなかった、と洸に言ってやってほしい、と悠里に頭を下げた。
悠里と辰也は、プライベートバーに宇津木を呼び出し、彼が何を望んでいるのか聞き出そうとした。そこで宇津木は、DNA鑑定をしてほしいと悠里たちに告げる。それに対して悠里は、まず晶を家に戻す、という条件を出す。悠里は、惣一に怪文書を送りつけたのは宇津木だと見抜いていたが、修一の息子であることが証明されれば歓迎する、と彼に告げた。
悠里は、リカとともに惣一の邸宅を訪れた。そこには何故か、丈治の姿もあった。丈治は、子どもたちの新しい練習メニューを惣一に報告しにきたらしい。悠里は、惣一に、洸たちを呼びつけた件を切り出した。惣一は、修一が自殺だったことは悠里も承知していると思っていた、と答えた。それに対して、修一には自殺する理由がない、と返す悠里。すると丈治は、金メダリストのオーストラリア選手の名前を挙げた。修一は、世界選手権でその選手に勝ったものの、1年後のオリンピックでは絶対に勝てないと悟ったというのだ。惣一は、激しく取り乱す悠里に、修一ばかりに期待していたこと、勝利への執着心は修一より悠里の方により深く刻まれていたことを見抜けなかったことを謝ると、「お前こそが早乙女だ」と告げ...。
その夜、帰社しようとしていたリカは、朋(大江駿輔)の姿を見かける。その後を追いかけて、社長室まで戻ってきたリカは、悠里と聖子の電話を偶然聞いてしまう。悠里は、死の前日、修一が泣いていたこと、その弱々しい姿に動揺しつつどこか人間らしさが感じられて安心したこと、全部止めて逃げてしまおう、と修一に言ったことを涙をこらえながら聖子に話した。「私が、兄の張りつめた最後のピアノ線を切ってしまったのよ」。悠里は、そう聖子に言うと、それを認めることが恐ろしくて、子どもたちに厳しくしてしまうのかもしれない、と続けた。そんな悠里に、聖子は、優しくしてもきつく尻を叩いても結果は同じだったと思うべきだ、と言うと、たまには子育てや仕事のことを忘れて食事でもして楽しもう、と提案する。
あくる日、YSコーポレーションのプールには晶の姿があった。悠里が宇津木とのことを認めてくれたのだという。それに対して丈治は、みんなが失望するから相手を選べ、と苦言を呈した。しかし晶は、等身大の恋をしろといったのは丈治だ、と言って耳を貸さなかった。
悠里が女子大で講演をしているころ、洸は辰也と会っていた。洸から、金メダルを獲ったときのことを尋ねられた辰也は、あのときは有力選手が次々と消えて、ノーマークだった自分はツイていた、と答えた。だが、決勝戦のとき、負けても銀メダルだと余裕を見せていた辰也を、ひとりだけ真面目な顔で見つめていた女性がいたのだという。それが悠里だった。あと一歩なのに金メダルを獲り逃してもいいのか、と悠里に言われているように感じた辰也は、その途端に体中に奇妙な力が沸き、この後の人生がどうなってもいいから勝たせてくれ、と悠里に祈ったのだという。
その夜、悠里と食事することになった聖子は、ドレスアップして出かけようとする。そんな母の姿を見た勝(水野真典)は、怒りだし、男にでも会うのか、とののしった。聖子は、勝を振り切り、階段を駆け降りた。だが、その途中で階段を踏み外した聖子は、転倒して意識を失ってしまう。
聖子が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上だった。聖子は、慌ててバッグを開くが、運悪く、携帯電話を家に忘れており、悠里に連絡することはできなかった。聖子は、病室を飛び出し、約束していたレストランへと急いだ。だが、悠里はすでに帰った後だった。
聖子に約束をすっぽかされた悠里は、YSコーポレーションのプールに立ち寄っていた。ひとり練習をしていた洸に、聞きたいことがあるのではないか、と切り出す悠里。洸は、思い切って、修一が自殺したことを知っていたのか、と悠里に尋ねた。「知っていたはずないでしょう。私もショックを受けたわ」。悠里は、そう答えると洸を抱きしめ...。
第6話「DNA鑑定の結果は? 娘を狙う男の真実-愛を亡くした運転手の悲劇」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、亡兄・修一(水上剣星)の息子だと主張するカメラマン、宇津木洋介(綾野剛)のDNA鑑定を依頼する。悠里は、長女の晶(武井咲)を早乙女家に戻せば願い通りDNA鑑定を行う、と宇津木と約束していた。だが、悠里からその経緯を聞かされた晶は、宇津木にだまされたと思いこみ、大きなショックを受けてしまう。
新倉リカ(長澤まさみ)は、悠里の運転手をしている保坂次郎(志賀廣太郎)のことが気になっていた。リカは、一度も保坂の声を聞いたことがなかったのだ。悠里によれば、保坂はもともと悠里の父・惣一(夏八木勲)の運転手で、悠里の運転手を務めるようになって20年近いという。だが、悠里自身も、長い間、保坂の声を聞いていないらしい。
そんな折、悠里たちは、刑務所の慰問に行くことになった。悠里は、子どもたちと一緒に、受刑者たちの前で楽器を演奏するという。悠里はハープ、長男の洸(松坂桃李)はチェロ、次男の廉(矢野聖人)はバイオリン、そして晶はフルートを演奏することができるのだ。洸は、悠里と一緒に練習を始めた。廉も、父・辰也(寺島進)のマンションで久しぶりにバイオリンを手にしていた。
一方、蓮見丈治(反町隆史)は、悠里の依頼で、宇津木の身辺調査に乗り出す。丈治は、宇津木の母親が温泉街でコンパニオンをしていたこと、そしていくつもの犯罪歴がある男と結婚していることを突き止め、悠里に報告した。もし宇津木が修一の子どもだとしたら、ふたりは不倫関係だった可能性もあると知った悠里は、宇津木の母親に会ってみる、と言い出す。すると丈治は、宇津木の母親は話すことができない、と悠里に告げた。
プライベートバーに宇津木を呼び出した悠里は、早乙女家が関わっている会社業務の概要を伝えた。修一の息子だと判明した場合、その後どうしたいか聞いておきたかった、と悠里は宇津木に告げた。その際、宇津木は、修一と若い女性が一緒に写っている1枚の写真を悠里に見せた。そして、金なんかいらない、父親が素晴らしい人だったことを証明したいだけだ、と言い放つ。
刑務所慰問の日、丈治は、社長室を掃除していた女性が、クレーマーの丹羽聖子(エド・はるみ)であることに気づく。聖子は、丈治の制止を振り切って社長室を飛び出し、エレベーターに乗って逃げた。
同じころ、休みをもらったリカは、会社のジムを訪れてトレーニングをしていた。そこにやってきた丈治は、リカから、悠里たちが刑務所の慰問に行ったことを教えられる。すると丈治は、いますぐに悠里たちを追いかけようと言い出す。悠里が慰問なんかするはずがない――丈治は、リカにそう告げると、ただちに刑務所に向かった。
刑務所に向かう車の中で、丈治は、ある事件について語り始めた。悠里が子どものころ、参宮橋の早乙女家に2人組の強盗が現れたこと、若いお手伝いさんが機転を利かせて幼い悠里をベッドの下に押し込んで守ったもののそのお手伝いさんは殺されてしまったこと、そしてそのお手伝いさんは運転手の保坂の新妻だったことを...。
悠里は、保坂に電話をして、「聞いていて」と告げると、子どもたちと一緒にステージに上がった。演奏したのは、モーツアルトの『フルートとハープのための協奏曲』だった。
演奏を終えた悠里は、マイクを手に、受刑者たちに向かって話し始めた。それは、幼いころに体験した、忘れようとしても決して忘れることができないあの事件のことだった。すぐに受刑者たちの間でざわめきが起きた。悠里は、そんなことはお構いなしに、話を続けた。
生まれたとき、赤ん坊は心琴――心にハープを持たされて、それで他者からの感情を受け取る。成長するにつれ、自らこの弦をつまびくことによって人と交わっていくが、この弦はもろく、いけないことをするとプツリと切れてしまう。そうしてついには、奏でる弦がひとつもなくなってしまったのがあなた達だ、と。人間としての尊厳を、利己主義を超えて達成するために生きて、愛して、生き切っていくという命題を放棄し、自分の利益、快楽しか追求できないあなた達はケダモノだ――悠里は、そう叫んだ。
激高した受刑者たちがステージに詰め寄り、会場はパニック状態に陥った。廉は、晶を連れて避難した。辰也と洸、そして駆けつけた丈治は、必死に悠里を守り、彼女をステージから連れ出した。
あくる日、丈治は、惣一の邸宅を訪れる。丈治は、改ざんした修一と宇津木のDNA鑑定の結果を悠里に渡したことを後悔しているようすだった。事実、修一が残した遺書には、宇津木の母親である女性のことも記されていたのだ。しかし惣一は、この話はこれで終わりだ、といって、修一の遺書を燃やしてしまう。
悠里は、宇津木の母が入院している病室を訪れ、DNA鑑定の結果を伝えていた。宇津木は、父親が修一ではなかったことに、ショックを受けているようすだった。悠里は、そんな宇津木に、晶の力になってくれるならふたりの交際を邪魔する理由はない、と告げた。
外は激しい雨だった。病院の玄関を出て車に乗り込み、ため息をつく悠里。そのとき、「明日は晴れるそうです」と保坂が悠里に声をかけ...。
第7話「号泣! 最愛のわが子を失う母親 - 衝撃の三男の秘密」のあらすじ
ベストジュエリー賞を受賞した早乙女悠里(天海祐希)は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)と長男の洸(松坂桃李)をともなって受賞式に出席する。その席で洸は、世界的な宝石商・神代洋治(名高達男)に出会い、彼の娘である沙織(佐藤めぐみ)と麻衣子(南沢奈央)を紹介される。それは悠里が、見合いのような意味でセッティングしたものらしい。どうやら洸は、姉の沙織のことを気に入ったようだった。が、そのようすを見ていた神代は、若いから仕方ないのかもしれないが残念だ、と言い出す。洸には女を見る目がない――神代はそうつぶやいた。
午後、リカは、運転手の保坂次郎(志賀廣太郎)にスケジュールを伝えにいく。そのときリカは、洗車をしている保坂の側に、エプロンをつけた若い女性の姿を見つける。
その夜、蓮見丈治(反町隆史)は、悠里が、晶(武井咲)と宇津木洋介(綾野剛)の交際を許したことを知る。丈治は、ふたりの交際には反対だと悠里に告げた。するとそこに、手で顔を隠すようにして晶がやってきた。宇津木に殴られたのだという。多忙を理由に会ってくれない宇津木に、カメラマンの仕事をやめて早乙女の会社に入れてもらえばいい、と晶が言ったことが原因らしい。それを聞いた丈治は、女の子を殴るようなやつとは付き合わない方がいい、と晶に助言した。だが、そんな丈治の姿を見つめていた悠里は、彼が、修一(水上剣星)と宇津木のDNA鑑定に関する報告書を改ざんしたことを直感する。
悠里は、丈治をプライベートバーに連れて行き、その件を問いただした。丈治は、鑑定書の改ざんが惣一(夏八木勲)の意向であることを悠里に告げると、すぐにでも晶と宇津木を別れさせるべきだと主張した。しかし悠里の怒りは収まらず、そんなことをすれば自分と晶の関係は修復不能になる、と丈治に言い放ち、宇津木に本当のことを伝えようとする。丈治は、そんな悠里に、このスキャンダルが明るみになれば、他界して20年が経ったいまも多くの人々から愛され続けている修一が汚されることになると訴え、思い止まらせる。
あくる日、トレーニングをしていた洸のもとに、沙織と麻衣子がやってくる。沙織は、麻衣子のことを放って、洸とランチに出かける。そこで沙織は、オリンピックの話を切り出し、メダルは獲れそうなのかと尋ねた。努力はしている、と答える洸。すると沙織は、洸のことが好きだから、負けて値打ちが下がるくらいならオリンピックに参加しなければいい、と言い出す。修一もそれで伝説の人になった、と沙織はいうのだ。ケガをすればいいだけ、たかがスポーツで自分の値段を下げるなんて馬鹿げている――沙織の言葉が洸の心にトゲのように突き刺さった。
リカは、先日のパーティーで、神代が言っていた言葉の意味を悠里に尋ねた。悠里は、神代が自己破産しかけた際、麻衣子と手をつないで買った宝くじが当たったこと、それ以来、大事な商談の席にも麻衣子を連れていき、成功を手にしたこと打ち明けた。故に神代は、『運』を手にして成功したとかたくなに信じているのだという。
リカは、悠里が神代と似たような考えを持っていることが意外だった。悠里は、そんなリカに、オリンピックを例に出した。4年に一度のオリンピックに肉体的なピークが合致しない、あるいはそのとき、強いライバルがいるかどうか、というような運・不運は、神様の悪戯のような気がしてならない、と。神代は、その悪戯の法則を知りたい、という悠里に、政財界のトップがお忍びで相談するという相手を紹介してくれたのだという。それは、ごく普通の主婦だった。
悠里は、宇津木の母親が入院している病院を訪れた。悠里を待っていた宇津木は、晶に暴力をふるってしまったことを素直に詫びると、支払いが滞っていた入院費や治療代を全額支払ってくれたことへの礼を言った。「手切れ金...そう受け取っていいんですよね?」。宇津木は悠里にそう言った。悠里が予想していた通り、宇津木は晶に対してコンプレックスを抱いており、これ以上、晶を傷つけてしまうことを恐れていた。悠里は、そんな宇津木を抱きしめて別れ...。
衆議院選挙への出馬を要請されていた悠里は、老舗の料亭で議員たちと会い、正式に依頼を断る。白か黒かを決められない、果てしなくグレーな世界を生きていかなくてはいけない政治家の仕事は自分に向いていない、というのだ。その席で悠里は、ベストジュエリー賞をもらった話を持ち出し、母親である自分にとって、宝石とは子どもたちのことだという思いが改めてこみ上げた、と議員たちに告げた。そんな宝石たちを奪う戦争をしないこと...それが政治を司る人たちに、たったひとつお願いしたいことだと言って悠里は席を立った。
同じころ、丈治は、クレーマーだった丹羽聖子(エド・はるみ)を捕まえ、今後一切、悠里に関わらないでほしい、と告げる。泣きながら、二度と迷惑をかけないと約束する聖子。その姿を見た丈治は、立ち去った聖子を追いかけ、息子のことで悩んでいるなら一度自分が会ってもいい、とつい言ってしまう。
腹痛を起こしたリカは、早退して帰宅した。そこで辰也(寺島進)に会ったリカは、出馬依頼の件を辰也に話し、今日の社長がいつもより優しかったのは、朋(大江駿輔)の体調が良かったからではないか、と言い出す。ところが辰也は、朋という子どものことなど知らないという。リカが悠里から話を聞いたと思い込んだ辰也は、苦しみを吐き出すようにして話し始めた。早乙女の婿養子という周囲の目に嫌気が差し、何でも悠里のせいにして荒れた生活を送ったこと、若い愛人が悠里のところに乗り込んでもみ合いになったこと、そのとき悠妊娠していた悠里が男の子を流産したことを...。
悠里は、神代から紹介された笹岡みどり(宮崎美子)という主婦を訪ねた。みどりは、悠里の大ファンだ、などとまくしたてると、金メダルはきっと大丈夫だ、と悠里に告げた。「あなた、運強いもの。それもね、周りに与える運もある。珍しいのよ、そういう人」。みどりは、そう続けた。
晶は、宇津木のマンションを訪ねた。しかし、宇津木の姿どころか、室内には何も残されていなかった。
みどりの答えに失望した悠里は、彼女の家を後にする。見送りに出てきたみどりは、ふいに、「ただし、一人失うことになる」と悠里に告げた。
辰也の部屋の前には犬の散歩から戻ってきた廉(矢野聖人)の姿があった。辰也とリカの会話を聞いてしまった廉は、大きなショックを受けていた。廉は、その場から去り、公園まで走った。が、そこで廉は、胸を押さえて倒れこんでしまう。
リカが会社に向かうと、プールサイドに悠里と朋が並んで座っていた。ゆっくりと悠里に近づいたリカは、「朋くんはいません」と言って涙を流した。悠里は、静かに微笑むと、知っている、と答え...。
第8話「母親失格-サヨナラ子供たち」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)をともなって絵画展会場を訪れる。それは、悠里の母・笠原真理恵(倍賞美津子)の個展だった。真理恵は、惣一(夏八木勲)と離婚後、パリに渡り、画家として活動していた。惣一と真理恵は、子育てに関する考え方が違っていた、と悠里はリカに話した。真理恵は、他人との競争はマイナスになるという考えの持ち主だった。実は悠里もその影響を強く受けており、修一(水上剣星)に対して厳しすぎる惣一に反発していたのだという。
一方、晶(武井咲)は、宇津木洋介(綾野剛)が何も言わずに姿を消してしまったことに大きなショックを受けていた。宇津木は、すでにマンションを引っ越し、携帯電話にも出なかった。YSコーポレーションの社長室にやってきた晶は、悠里が宇津木に金を渡したことを察し、非難した。蓮見丈治(反町隆史)は、そんな晶に、悠里を恨むのは筋違いだ、と言い放つ。宇津木の方が、晶とは別れない、金は受け取らないと言えばそれ以上はどうにもならない話だ、と丈治は言うのだ。続けて丈治は、宇津木は最初からそのつもりだった、と晶に告げた。晶は、涙をこらえながら、絶対に信じない、と言い残して社長室を飛び出す。
あくる日、悠里は、主婦たちを相手に講演会を行う。そこで悠里は、自分だけでなく、相手の痛みを学習するために、兄弟がいることの大切さを説いた。そして悠里は、母親が一番やってはいけないこととして、依怙贔屓を挙げた。ただし、家庭内に危機が訪れたとき、たった一度だけはこの依怙贔屓が母親の武器になる、と付け加えた。
そのころ丈治は、丹羽聖子(エド・はるみ)のアパートを訪れていた。丈治は、息子のことで悩んでいるなら一度会いに行ってもいい、と聖子に約束していたのだ。聖子の息子・丹羽勝(水野真典)に会った丈治は、彼を挑発した。勝は、ナイフを取り出して丈治を威かくしたが、あっという間にナイフを奪われ、逆に殴られてしまい...。
そんな折、思わぬ事件が起きる。長男の洸(松坂桃李)が、バイクにはねられたのだ。知らせを受けた悠里や辰也(寺島進)は、洸が収容された病院に駆けつけた。すると病室には、真理恵の姿があった。洸が連絡したのだ。そこで悠里は、今回の事故は、洸が自らバイクに飛び込んで起きたものだと知り、大きなショックを受ける。
悠里は、丈治に連絡を取ろうとしたが、彼は電話にでなかった。そこに、沙織(佐藤めぐみ)と麻衣子(南沢奈央)の神代姉妹がやってくる。事故の直前まで、洸は沙織と電話で話していたのだという。ところが、沙織の姿を見た洸は、「君のせいだ!」と叫び、ひどく取り乱す。
勝と心を通わせることに成功した丈治は、悠里からの連絡に気づき、彼女のもとへと駆けつける。悠里は、洸が自分ではなく真理恵に連絡をとったことや、彼が精神的なショックを受けていることに動揺を隠せない。悠里は、無理に明るく振る舞うと、洸にはつかの間の休息が必要だっただけで、必ず期待に応えてくれる、と自分に言い聞かせていた。
同じころ、晶は、宇津木の行方を捜していた。晶は、彼の居場所を知っている、という男の言葉を信じ、その男の部屋を訪れる。そこで男に襲われそうになった晶は、必死に抵抗し、何とか危機を逃れていた。「愛してる...」。裂かれたシャツを手で押さえながら夜の街を彷徨っていた晶は、何度もそうつぶやいた。
あくる日、悠里とリカは、昨夜、無断外泊した晶が、室内プールにいることに気づく。水着姿の晶は、やってきた悠里の目の前で、胸元を覆っていたバスタオルを落とした。その左胸には、宇津木と同じような蝶のタトゥーがあった。それを見た悠里は、こみ上げる怒りにまかせて晶を何度も殴りつけ...。
洸がいつの間にか退院したことを知った悠里は、真理恵を訪ね、彼の居場所を訪ねた。洸は、真理恵のホテルにいるという。明日にでもリハビリを始めないと選考会に間に合わない、という悠里に、真理恵は、修一と同じように洸が死んでも構わないのか、と言い放つ。真理恵は、東京での個展が終わったら、洸をパリに連れて行くと悠里に告げる。「あなたは失格なのよ。母親失格なの」。真理恵の言葉が悠里の胸に突き刺さった。
その夜、たったひとりになった悠里は、幼いころの洸たちのビデオを見ていた。泣きじゃくる幼い晶、運動会で転んでしまい泣きながら走る廉、水泳大会で1位になった洸...。悠里の目から涙が溢れた。
あくる日、出社した悠里は、社長室が風船だらけになっていることに驚く。リカが、悠里を元気づけようと、徹夜で準備したものだった。「ストレス発散しませんか? 私の努力を速攻、台無しにしてください」。悠里は、そんなリカの気持ちを受け止め、競い合うようにして風船を割ってはしゃいだ。もう一度、ゼロから始めるために――。
廉のもとを訪ねた悠里は、「私には、もう、あなたしかいないの」と告げた。悠里の思いを知った廉は、そう言われるのを待っていた、と答え、悠里とともに早乙女家に戻り...。
第9話「息子の命と引換えに...悲しき母最後の賭け」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、オリンピックでゴールドメダルを獲得するという夢を、次男の廉(矢野聖人)に託す。「私には、もうあなたしかいない」という悠里の言葉を受け止めた廉は、父・辰也(寺島進)のアパートを出て早乙女家に戻った。廉は、兄の洸(松坂桃李)の代わりに、競泳の自由形に転向するつもりでいた。コーチの蓮見丈治(反町隆史)は驚きを隠せなかったが、廉がずば抜けた身体能力を持っていること、陸上選手時代からずっと水泳トレーニングを続けていたことを考慮し、本気で廉のトレーニングに取り組むことを決意する。
一方、廉が心臓の病を抱えていることを知る新倉リカ(長澤まさみ)は、悠里にそれを打ち明けるべきかどうか悩む。リカは、辰也に相談を持ちかけた。しかし辰也は、廉から口止めされていることもあって、自分の口からは言えないという。優柔不断な辰也の態度に業を煮やしたリカは、自分から悠里に話す、と辰也に告げる。
者あくる日、悠里は、母・真理恵(倍賞美津子)のもとを訪れる。真理恵は、洸が事故を起こしてケガをしたことを受け、悠里に対して母親失格だと言うと、東京での個展が終わったら洸をパリに連れて帰る、と宣言していた。悠里は、そんな真理恵に、オリンピックは諦めても、洸は早乙女グループの後継者なのだから返して欲しいと頼む。しかし真理恵は、やりたくないことをやらせるという意味では一緒だ、と言って取り合わなかった。するとそこに惣一(夏八木勲)が現れ、真理恵には洸を連れ出す権利はない、と言い放つ。続けて惣一は、修一(水上剣星)が事故にあったときお前はどこにいたんだ、と真理恵を責めた。「そのときから...いや、ずっとそれ以前から、お前は私たちの家族じゃなかったんだ」。惣一は、真理恵にそう告げた。
同じころ、廉は、丈治の指導の下、厳しいトレーニングに取り組んでいた。丈治は、ブランクがあったにも関わらず、洸と同じ練習メニューをこなしてしまう廉に大きな可能性を感じていた。しかし廉は、シャワー室で胸を押さえて蹲ってしまう...。
あくる日、悠里は、丈治のマンションに立ち寄り、晶の朝食を用意してから出社する。そこにやってきたリカは、廉の病気のことを悠里に話そうとするが、結局何も言えずにいた。
丈治は、丹羽聖子(エド・はるみ)と勝(水野真典)親子を訪ねた。勝は、すっかり丈治のことが気に行ったようすで、普段からメールのやり取りもしているのだという。勝は、丈治のような人が父親だったらいいな、と聖子に話した。実は聖子も、丈治のことを意識しているようだった。
YSコーポレーションの室内プールにやってきた辰也は、練習中の廉に声をかけた。廉のことが心配だったのだ。そんな辰也に、廉は、早乙女のため、母さんのためなら、万が一何かがあっても本望だと告げた。辰也は、次男だから消えても問題ない、と軽く言ってみせる廉を不意に抱きしめ、二度とそんなことは言うんじゃない、と釘を刺した。ロッカー室の外には、ふたりの会話をそっと聞いている悠里の姿があった。
その夜、丈治のマンションにリカがやってくる。そこでリカは、廉の病気のことを涙ながらに丈治に訴えた。丈治は、廉の診断をした陸連のドクターから話を聞いて、事実なら自分から悠里に話す、とリカに約束する。その話を偶然聞いてしまった晶は、大きなショックを受けていた。
あくる朝、悠里は、パリに戻る真理恵の見送りに行く。別れ際、悠里は、自分の中には真理恵から教わった言葉が生きているし、それは子どもたちにもバトンされている、と告げる。「いまの、これからの早乙女には、そこに確かにママも存在しているのよ」。真理恵は、そんな悠里の言葉を受け止め、パリに戻った。
悠里が社長室に戻ると、丈治とリカが待っていた。丈治は、陸連のドクターによる廉の診断書を悠里に手渡す。すると悠里は、廉の病気のことは知っていた、と言い出す。それでも廉は、自らの意思で戦うことを選んだ、というのだ。悠里は、廉のトレーニングを中止すると主張した丈治に対して、作成した練習メニューを渡すよう命じ...。
夜、プライベートバーで辰也に会った丈治は、悠里が廉の病気を知っていたことを打ち明ける。丈治は、もはや辰也にしか悠里を止めることはできないと考えていた。
洸は、神代麻衣子(南沢奈央)と一緒に花火を見ていた。「母さんは、僕に失望したんだ...」。洸の目から涙がこぼれた。
廉は、リカと一緒に花火を見ていた。廉は、リカから、悠里が病気のことを知っていたと教えられた。「それでも、母さんを信じている...」。廉の目から涙がこぼれた。
悠里は、丈治のマンションから、晶と一緒に花火を見ていた。「私はいま、大きな賭けをしているの」。悠里は、晶の手を握りながらそう告げた。失敗したらきっと家族はバラバラになる――悠里の言葉に、晶の目から涙がこぼれ...。
第10話「誰か助けて! もう限界よ...哀しき母の最後の叫び」のあらすじ
早乙女悠里(天海祐希)は、父・惣一(夏八木勲)に代わって、早乙女グループの新代表に選ばれた。惣一は引退を望んでいたが、悠里の強い希望で、相談役として残ることになっていた。蓮見丈治(反町隆史)は、心臓疾患を持つ次男・廉(矢野聖人)を競泳の代表選考会に出場させようとしている悠里を、惣一に説得してもらうつもりでいた。だが、悠里がグループの代表になったことで、丈治の目論見は外れてしまう。惣一は、そんな丈治に、周囲がすべて敵に回ろうとも悠里のことを守ってくれ、と頼む。
同じころ、YSコーポレーションの室内プールで練習していた廉のもとに、洸(松坂桃李)がやってくる。洸は、強い運を持つという女性・神代麻衣子(南沢奈央)と一緒だった。自分の代わりに廉が代表選考会に出場することを知った洸は、手伝えることがあったら言ってほしい、と申し出る。
その夜、悠里は、別居中の夫・辰也(寺島進)とプライベートバーで会う。辰也も、廉を選考会に出場させるのを何とかして止めようとしていた。しかし悠里は、たとえ辰也の頼みでもそれだけはできない、と拒否した。すると辰也は、自分なりに覚悟を決めてきた、と言って悠里に離婚届を手渡す。
別の日、悠里は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)を伴って買い物に出かける。悠里は、大量のブランド品を買い求めた後、高級レストランで食事をすると言い出す。そこでリカは、金メダルへの悠里の強い思いは理解したいと思っていたが、今回の廉の件は、人として、母親として間違っていると言い放ち、これ以上悠里にはついていけない、と悠里に告げる。
最終回「最終回...死なないで! 母と子の号泣の結末」のあらすじ(ネタバレ注意)
早乙女悠里(天海祐希)は、無謀な賭けだと知りながら、廉(矢野聖人)の力を借りて洸(松坂桃李)を立ち直らせようとしていた。自らの命をかけて競泳の代表選考会に挑もうとする廉の姿が、洸の魂を奮い立たせてくれると信じていたのだ。悠里は、蓮見丈治(反町隆史)や父親の惣一(夏八木勲)にもそのことは秘密にしていた。知っていたのは晶(武井咲)だけだった。
悠里の祈るような思いは通じ、選考会場に現れた洸は、廉と同じ組で100m自由形のスタート台に立つ。会場にいた新倉リカ(長澤まさみ)や辰也(寺島進)も、洸の登場に驚きを隠せなかった。洸は、隣に立つ廉に向かって、お前なんかの出る幕じゃない、と告げると、スタートの合図と同時に力強く飛び込んだ。圧倒的な泳ぎを見せた洸は、見事トップでゴールする。日本新記録だった。
レース終了後、関係者控室を訪れた辰也は、悠里から離婚届を返してもらう。それを知った丈治は、この機会に早乙女家に戻ったらどうか、と辰也に提案する。丈治は、子どもたちにレスリングや柔道を教えるスクールを新設するからコーチをしてほしい、と辰也に頼んだ。
リカも、辰也に促されて、悠里に提出した辞表届けを返してもらおうとしていた。しかし悠里は、それを認めようとはしなかった。
悠里は、惣一に代わって、選考会の閉会式で挨拶をすることになった。悠里はいきなり『若者たち』を歌い出し、逃げ出したくなるときがあっても、何故頑張らなくてはいけないのかといえば、それはDNAのためだと説いた。DNAは、肉体や免疫系の遺伝だけでなく、心のスピリットもバトンされると信じている、という悠里。さらに悠里は、代表作は何かと問われたときのチャップリンの言葉を引用し、選手たちに、next one――次が自分のベストパフォーマンスだと思ってほしい、という言葉を贈った。ところがそこで思わぬ事件が起きた。選考会の会場に現れた丹羽聖子(エド・はるみ)が、ナイフを片手に悠里に向かって走り寄ったのだ。それに気づいた丈治は、悠里の前に体を投げ出した。次の瞬間、苦痛に顔をゆがめて倒れる丈治。丈治の腹部には、深々とナイフが突き刺さっていた。
丈治は病院に収容されたが、危険な状態だった。洸や廉、晶は、自分たちの血を丈治に輸血してほしい、と医師に訴えた。「私たちが助ける。私たちの思いで」。晶の言葉に、洸と廉も頷き、手を重ねた。その手の上に、ふわりと朋(大江駿輔)の手が重ねられ...。
悠里は、『若者たち』を口ずさみながら、丈治と出会ったころのことを思い出していた。病院に駆けつけたリカは、幼いころの丈治と朋の姿を目にする。朋は、リカに「さようなら」と告げると、ICUの中に消えていった。そして朋は、幼い丈治ともに、昏睡状態の丈治に重なるようにして消えていき...。
拘置所を訪れた悠里は、聖子と接見する。悠里は、他人を妬むことの非を説き、幸せか不幸かはブランコのようにいつも揺れているが、嫌になって止まってしまえばただ退屈なだけだ、と聖子に言った。聖子は、そんな悠里のことを偽善者呼ばわりし、不幸になるよりはマシだからブランコを止めたのだ、と返す。すると悠里は、あなたはまたブランコを揺らす、と告げる。息子の勝(水野真典)が待っているから、と。悠里は、ドアを開け、勝を導きいれた。聖子は、そんな勝に泣きながら謝罪し...。
退院した丈治は、晶の練習プログラムについて相談したい、と切り出した。丈治に促されて服を脱ぐ晶。胸のタトゥーが実はシールだったことを知った悠里は、彼女を抱きしめて謝った。続けて丈治は、辰也を招き入れた。久しぶりに家族が一堂に会したことを喜ぶ子どもたち。悠里は、こみ上げる思いを抑えながら、良い妻でも良い母親でもなかったことを詫びた。そんな悠里に、洸たちは、次に生まれ変わってもあなたの子どもに生まれたい、と告げ...。
丈治は、悠里たちの団欒を邪魔しないようにそっと早乙女家を後にして自宅マンションに戻った。するとそこに、洸、廉、晶の3人がやってくる。悠里と辰也を二人きりにしてあげた、というのだ。洸たちは、丈治だって家族だ、というと食事の支度を始めた。3人の思い知った丈治は涙を堪えた。
洸は、オリンピックに向けて練習を続けていた。
廉は、バックパックを背負い、空港へと向かっていた。
晶は、高飛び込みの練習を続けていた。
そして辰也は、子どもたちを相手に、レスリングのコーチを始めていた。
別の日、YSコーポレーションでは、新しい秘書の面接が行われる。今回は、語学力がポイントなのだという。が、その席に、何故かリカが座っていることを知って驚く悠里。リカは、他の候補者たちに笑われながらも、たどたどしい英語で話し続けた。その姿を見ているうちに、いままでのことを思い出した悠里は、リカに『あなたが合格よ』と告げて...。
※フジテレビHPより引用