◆ジョーカー 許されざる捜査官
2010年7月13日からフジテレビ系列で放映。火曜9時枠。
昼と夜でまったく別の顔を持つ刑事のサスペンスドラマ。夜になると凶悪犯に対して冷酷な制裁をお行う刑事の豹変振りが見もの。
主演は、ゴールデンタイムの連続ドラマ初出演となる堺雅人。ヒロイン役は同じ期でNHKドラマの「僕がセレブと結婚した方法」にも出演する杏。そのほか、大杉漣や鹿賀丈史といったベテランも登場。
⇒ジョーカー 許されざる捜査官 動画(最終回の結末に注目!)
◆ジョーカー 許されざる捜査官の主題歌
RIP SLYME 「SCAR」
◆ジョーカー 許されざる捜査官の出演者
伊達 一義 ...... 堺雅人
宮城 あすか ...... 杏
来栖 淳之介 ...... 平山浩行
堀田 輝生 ...... 土屋裕一
轟 泰樹 ...... 永岡卓也
滝川 美菜 ...... 鈴木凛
井筒 将明 ...... 鹿賀丈史
久遠 健志 ...... 錦戸亮(NEWS)
溝口 喜一 ...... 佐伯新
武本 寛治 ...... 井上正大
片桐 冴子 ...... りょう
三上 国治 ...... 大杉漣
◆ジョーカー 許されざる捜査官のスタッフ
脚本:武藤将吾
企画:立松嗣人、太田大
音楽:井筒昭雄
プロデュース:稲田秀樹、永井麗子
演出:土方政人、都築淳一、石川淳一
音楽協力:フジパシフィック音楽出版
制作協力:ベイシス、フジアール、バスク
制作:フジテレビ・共同テレビ
◆ジョーカー 許されざる捜査官の視聴率
| 各話 |
放送日 |
サブタイトル |
視聴率 |
| 第1話 |
2010年7月13日 |
2つの顔をもつ刑事...凶悪な真犯人を闇で裁く |
13.9% |
| 第2話 |
2010年7月20日 |
保険金殺人に隠されたワナ |
15.7% |
| 第3話 |
2010年7月27日 |
偽装されたストーカー殺人 |
13.4% |
| 第4話 |
2010年8月3日 |
無差別殺人に隠されたナゾ |
13.7% |
| 第5話 |
2010年8月10日 |
金の亡者...女弁護士の非情 |
13.8% |
| 第6話 |
2010年8月17日 |
子供の虐待...救えない命... |
14.5% |
| 第7話 |
2010年8月24日 |
模倣犯現る...間違った正義 |
15.7% |
| 第8話 |
2010年8月31日 |
衝撃の死...伊達最大の危機 |
11.9% |
| 第9話 |
2010年9月7日 |
時効...真実に怒りの裁き! |
13.5% |
| 最終回 |
2010年9月14日 |
神隠し...解き明かされる謎の黒幕?衝撃の結末 |
15.5% |
| 特別編 |
2010年9月21日 |
伊達、最初の事件 |
12.1% |
◆ジョーカー 許されざる捜査官のあらすじ 最終回 ネタバレ注意!
第1話「2つの顔をもつ刑事...凶悪な真犯人を闇で裁くく」のあらすじ
7歳の男児が銃殺されるという事件が発生し、神奈川県警捜査一課・警部の伊達一義(堺雅人)は、遺体発見現場に急行する。現場には、すでに鑑識課・巡査部長の久遠健志(錦戸亮)ら鑑識官が到着していて、証拠物の採取を行っていた。そんなところへ、捜査一課に配属になったばかりのキャリア刑事、警部補・宮城あすか(杏)がやってくる。
ジャケットにジャージという奇妙な格好で取り調べをする伊達を見たあすかに、久遠と来栖淳之介(平山浩行)は、あれが自分たちやあすかの上司だと説明。変わり者で、怒ったこともないから"仏の伊達さん"と呼ばれているという男を見たあすかは驚く。遺体と対峙していたその背中に、猛烈な怒りが立ち込めているのを感じたからだ。
その後の調べで、男児・河相満(貴島康成)は、改造銃で撃たれていたことが判明。犯人は、銃の威力を試すために、泣き叫ぶ満を的にして連射したのだ。その凄惨なやり口に、刑事たちの怒りは高まる。
そんな折、捜査一課・警視正の井筒将明(鹿賀丈史)に会ったあすかは、井筒から伊達があすかの兄・夏樹とコンビを組んでいた刑事だと聞く。
翌日、木内亨(細田よしひこ)という男が、自分が改造銃を作ったと出頭してきた。木内は、高校時代にいじめられていた新垣豪太(山根和馬)に強制され改造銃を作ったと自白。そして、新垣に呼び出され、銃の威力を試すといって満を撃つところを見せられたと言う。木内の供述通り、満の殺害現場には新垣の指紋が付いた改造銃が残されていた。来栖らは、目撃情報とも一致する新垣を逮捕しろ、と色めき立つが、伊達と久遠は何かがひっかかる。
一方、容疑のかかった新垣は、木内にハメられたと犯行を完全否定。しかし、素行が悪く補導歴もある新垣の供述は、品行方正で父親が検事という木内に比べ、信用性が薄い。新垣犯人説が高まり、新垣の逮捕状が取られることになった。
それでも、木内を疑う伊達は、再びやってきた満の殺害現場の状況が木内の証言と異なっていることに気づく。そんななか偶然にも、殺害現場の隣が盗撮用のカメラが仕掛けられた部屋だったことが判明する。すでにその映像テープを押収していた伊達は、久遠に再生を頼む。すると、空の部屋を映したビデオ映像から、泣き叫ぶ満に木内が発砲する音が聞こえた。しかし、音だけで木内の犯行を立証することはできない。
その後、取調べで木内に対峙した伊達はその映像を見せるが、木内は、これでは自分が撃った証拠にはならないと余裕を見せる。すると、伊達は木内に一枚の紙を差し出す。それは、木内の音声を解析したグラフで、銃声がしたとき、木内の声に震えが生じたことを表していた。発砲の衝撃で声が震えた――つまり、木内が引き金を引いたという証拠になるのだ。
そんなとき、取調室のドアが開き井筒が顔を出す。伊達を部屋の外に連れ出した井筒は、「木内の調書」と書かれた紙を出し、この内容で木内に同意させろ、と命じる。そこには事実と異なる記述がなされていたため、伊達は検察庁の圧力かと確認するが、井筒は決定事項だと一蹴する。
取調室に戻った伊達は、木内の前で、その調書を読みあげる。改造銃だと分からずに拾ったエアガンで、試し撃ちをしようと雑居ビルに入りカーテンを撃ったが、その奥に満がいるとは知らなかったため当たってしまった、と。それを聞いた木内は、その通りだと笑顔を見せる。
後日、満の父親・勇造(小市慢太郎)に呼ばれた伊達は、あすかとともに満の自宅を訪ねる。勇造は、木内が不起訴になったのは検察庁幹部の息子だからなのか、と怒りをあらわにする。返す言葉がない伊達が無言でいると、勇造の妻・美津子(中込佐知子)が差出人不明の小包を持って現れる。箱のなかには、血に染まった満の靴と「N」と書かれた小さなブロックが入っていた。さらに、箱の底が二重になっていて、下には盗聴器が仕掛けられていた。
その頃、木内は、近所のレストランで盗聴器をモニターしていた。満の靴を見て泣き崩れる美津子の声を聞き、満面の笑みを浮かべていたのだ。
その日の夕方、伊達が、三上国治(大杉漣)が経営するバーにやってくると、ルポライターの片桐冴子(りょう)が飲んでいた。木内が不起訴になった理由を勇造に話したのは、冴子だったのだ。元刑事で伊達の同僚でもある冴子は、警察の事情に通じているため、満の事件が未解決になるだろうと見越していた。本当に木内を逮捕できないのか、と聞いても答えない伊達に、「後は、神隠しを待つのみか」とつぶやく冴子。"神隠し"という言葉に反応した三上に、冴子は、それが法の裁きを逃れた者が突然いなくなる現象で、自分が現役だった頃からあった噂だと説明する。
同じ日の夜、伊達に会った久遠は、伊達から頼まれていた調査の報告をする。それは、ここ3ヵ月の間にペットを銃殺された飼い主の家に、ペットの遺品とアルファベットが書かれたブロックが盗聴器付きで送りつけられていた、というものだった。地図を広げ、被害にあった家をマークしアルファベットを並べていくと、「WORLD EN」となった。
それは、「世界の終わり」を意味する「WORLD END」になると思われたが、最後の「D」はまだ見つかっていない。それまでの犯行現場は、1㎞の間隔で直線で結ばれていたため、次の現場も予想はできた。明日、木内が海外留学へ旅立つと知っていた伊達と久遠は、木内は今夜、犯行に及ぶだろうと確信。久遠は、伊達がどんな行動に出るのか気になるが、伊達は帰ると言って、その場を立ち去ってしまう。
その頃、改造銃を持った木内は、ブルーハウスにいるホームレスに照準を絞っていた。すると、そこへ伊達が現れる。伊達が改めて尋ねると、木内は満の殺害を自供した。そんな木内に伊達は、今度は満や遺族の悲しみをお前が味わう番だ、と言い放ち、木内から奪った改造銃の銃口を向ける。その冷淡な態度に、木内は恐れおののき命乞いをするが、伊達は「お前に明日はこない」と言い、引き金を引く――。
翌日、バーにやってきた冴子は、木内が行方不明になったらしいと三上に報告する。
その頃、手足を縛られ口を塞がれた木内は、真っ暗ななか、堅い床の上で目を覚ます。上半身を起こし目の前の小窓を覗いた木内は、自分が猛スピードで海を走るクルーザーのなかにいることを知る。
同じ頃、久遠は「D」地点を探し当て、ひとりでやってくる。すると、そこに、伊達の物と思われるボタンを発見する。
一方、伊達は、捜査一課の部屋で机に突っ伏し寝ていた。しかし、悪夢のような映像が脳裏によみがえり、カッと目を見開くと......。
第2話「保険金殺人に隠されたワナ」のあらすじ
老人ホームが全焼し、入居者9名、職員1名が死亡する事故が起こった。その後の調査で、9名の入居者のうち5名に施設の経営者を受取人にした生命保険がかけられていたことが判明する。報告を受けた伊達一義(堺雅人)は、施設の経営者・春日恒夫(鈴木浩介)を事情聴取。しかし、春日は、入居者の希望で受取人になっていたことがわかる。金に困っておらず、人格者と評判の春日に、宮城あすか(杏)は、事故かもしれないと思い始める。
そんななか、伊達は、焼死した入居者に逃げた様子がないことを疑問に思う。久遠健志(錦戸亮)は、睡眠薬で眠らされていた可能性を示唆するが、検死の結果、その可能性は退けられる。
伊達はあすかとともに、出火原因を作ったとされる入居者・高原スズエの自宅を訪問。応対したスズエの息子夫婦は、世間からのバッシングを受け、母親を恨んでいた。
その後、片桐冴子(りょう)に呼び出された伊達は、事件当日にホームでインフルエンザの予防接種が行われていたと聞く。さらに冴子は、法で裁かれなかった容疑者が行方不明になる"神隠し"を調査してみようと思っていると明かす。
伊達とあすかは、予防接種を行ったという医師・羽鳥晴信(東根作寿英)を訪ねる。羽鳥はスズエの夫の主治医でもあったが、心筋梗塞で入院した夫は、羽鳥の診察後に容態が急変して死亡。スズエはそれを医療ミスだと、クレームを付けていたという。そのことで立場が悪くなった羽鳥がスズエを恨み、注射に毒を入れて殺害したのではないか――。そんな仮説が立てられたが、立証はできない。
そんな折、羽鳥の病院で聞き込みをしていたあすかが、院内のインフルエンザワクチンの在庫と、実際の使用数に相違があることを突き止める。その数は、10人分で、ちょうどホームの火災で亡くなった人数と合致する。羽鳥が、ワクチンの代わりに体内に成分が残らない毒を注入した可能性が高まった。専門医に話を聞いてみると言って席を立とうとする伊達に、結果によっては羽鳥に探りを入れてみろ、と井筒将明(鹿賀丈史)は命じる。あすかは、自分がつかんだネタなのに、どうして伊達に...と文句を言うが、力不足だと一蹴される。
一人前として認めてもらいたがるあすかに久遠が理由を尋ねると、捜査一課の刑事だったが5年前に殺人事件に巻き込まれて亡くなった、兄・夏樹の未解決事件の捜査を任されたいからだ、と答える。
久遠は、そんなあすかとともに羽鳥の教授室に忍び込み、盗聴器を仕掛けるという手段に出る。手柄を取って、井筒らを見返せばいい、と久遠は言うが、あすかは違法捜査に不安を感じる。と、そこへ、教授室に入っていく伊達の姿が見えた。久遠とあすかは、伊達と羽鳥の会話を傍受するが、羽鳥から有効な証言は引き出せなかった。ところが、伊達が退出すると、羽鳥は誰かに電話をかけて、警察に睡眠薬を使ったことがバレた、逃走資金を早く用意してくれ、と依頼。さらに、スズエの夫の医療ミスについても言及した。
電話の相手が春日だと確信したあすかは、羽鳥に直接自白させるといって教授室へ。しかし、罪を認めようとしない羽鳥に感情的になったあすかは、盗聴したテープを掲げ、証拠はあるのだからすぐに自首をしろ、と迫る。それでも、動じない羽鳥は、あすかを閉め出す。あすかは、盗聴テープを証拠だと言ってしまったことを後悔する。
翌朝、テレビのニュースが、羽鳥が自殺したことを伝えた。現場には、老人ホームの火災は自分の犯行だとほのめかす内容の遺書も残されていたという。
状況を把握した井筒は伊達に、被疑者死亡で羽鳥を書類送検しろ、と命じる。羽鳥には共犯者がいる、と食い下がる伊達に、たとえ、春日が羽鳥をそそのかして犯行に及ばせていたとしても、被疑者、被害者がすべて死亡している以上、立証は難しい、と言い放つ。
そんななか、久遠は、羽鳥と春日の密会の様子を盗撮したDVDを伊達の机に残す。映像内の羽鳥の会話から、スズエの夫の医療ミスに気付いた春日が、それを口外しない代わりに入居者らに睡眠薬を注射しホームに放火するよう羽鳥を脅していたらしいことがわかった。しかし、春日は、すべて羽鳥がやったことだと関与を否定。羽鳥は動揺しながらも、春日が書いた計画の指示書をホームで紛失した、あれが燃え残っていたら言い逃れはできない、と迫るが、春日は余裕の笑みを見せる。
それらのやりとりを見た伊達は、羽鳥が言うメモがない限り、盗撮映像だけでは捜査状況は変えられない、と久遠とあすかに告げる。
その後、伊達とあすかがスズエ宅を訪れていたとき、線香をあげたいと言って、春日がやってくる。その悪びれない態度に腹を立てたあすかが、罪を認めろと腕をつかむと、春日があすかの手を乱暴に振りほどいた。それを見た伊達は、公務執行妨害で春日を逮捕する。
強引な逮捕は、春日を拘束し羽鳥とのつながりを自白させるための手段だった。伊達は、与えられた46時間ほどの拘束時間で春日に自白を迫る。短い休憩があるだけで、延々と続く取り調べに、春日は辟易するが、伊達は終始冷静な態度を崩さない。時間が刻々と過ぎるなか、春日は追いこまれるが、しかし、自白する前にタイムリミットが来てしまう。
そして、その夜、春日の姿は焼け跡となった老人ホームにあった。羽鳥が言っていたメモを探し回収するためだ。すると、そこに、全身黒づくめの伊達が現れ、メモを探しに来たお前は罪を認めたも同然だ、と詰め寄る。しかし、春日は証拠がないので法は自分を裁けない、と動じない。「だったら、俺が裁く――」。伊達は、春日に銃口を向けると、引き金を引く。伊達が倒れた春日に近づき様子をうかがうと、「やっぱり、アンタの仕業だったか」と、背後から声がする。振り返るとそこには、久遠の姿があり......。
第3話「偽装されたストーカー殺人」のあらすじ
伊達一義(堺雅人)は、自らが経営する老人ホームに放火し10名を死亡させた春日恒夫(鈴木浩介)に制裁を加える。それを目撃した久遠健志(錦戸亮)は、伊達の"別の顔"を知ってしまう。
そんな折、心中と思われる若い男女の遺体が発見された。第一発見者は、女・内海晴香(重廣礼香)の婚約者・山原哲司(黄川田将也)で、晴香と一緒に死亡した男は晴香の元恋人・猪俣政典(中村邦晃)だという。晴香のストーカーだった猪俣に動機も物証もあることから、猪俣による無理心中と断定されるが、伊達は腑に落ちない。
早速、伊達は宮城あすか(杏)を連れて山原に会う。山原は、猪俣が晴香に付きまとい暴力を振るうこともあったようだと証言。晴香はそんな男をなぜ部屋に入れたのだろうか、と尋ねる伊達に、山原は、自分や周囲の目を気にしていたんだろうと答える。
同じ頃、ルポライター・片桐冴子(りょう)は、井筒将明(鹿賀丈史)を訪ね、過去に17人の事件の容疑者が行方不明になっている"神隠し"について切り出す。それらの事件のうち2件はマスコミに公表されていないことから、冴子は、警察内部の人間が関与する可能性もあると言う。
一方、伊達は山原を疑うが完璧なアリバイの前に行き詰まりを感じていた。そんなとき、再び晴香の実家を訪ねた伊達は、窓にかかるカーテンに目をやる。それは晴香が母親にプレゼントした、断熱効果のあるものだという。伊達は、同じカーテンが晴香の殺害現場にあったことを思い出し、山原がそれを使い遺体の死亡推定時刻を偽装したのだと確信する。
実際、あすかが鑑識に確認したところ、断熱カーテンに遺体を包んでおけば死亡推定時刻を4時間程度遅らすことができるとわかった。カーテンに、晴香と猪俣を包んだ形跡があれば、山原を逮捕できる――そう意気込んで殺害現場の部屋に乗り込んだ伊達らは、呆然とする。部屋がきれいに片づけられていたのだ。大家によると、山原が業者を呼んで片付けさせたという。伊達は、カーテンを追うが、すでに焼却されてしまっていた。
その後の調査で、晴香殺害に使われた凶器が細いベルトだということはわかったが、山原へとつながる物証はすべて消滅してしまった。目の前に犯人がいるのに逮捕できない、とあすかは悔しさでいっぱいになるが、伊達はそれが現実だと答える。
その日の夕方、伊達は山原の職場である高校の実験室を訪ね、晴香が病気の父親の手術費として貯金をしていた金が通帳に見当たらない、と切り出す。そして、証拠はないが山原を疑っているから正直に話してほしいと訴えるが、山原はそれを無視して立ち去ってしまう。
伊達が捜査一課に戻り捜査資料を見ていると、久遠からパソコンのメールを開いてほしい、と電話が入る。伊達がそこにあるURLにつなぐと、伊達に手を振る久遠の動画が現れた。久遠がカメラを横にずらすと、先ほどの実験室で椅子に縛りつけられた山原の姿が映し出される。そこで、山原に自白させようというのだ。ところが山原は、久遠の強引な尋問に屈するどころか、突然、笑いはじめた。シャツを脱ぎタンクトップになっていた久遠の背中にある傷を指摘し、誰にやられたのか、と迫ったのだ。そして、「親か?」という質問にわずかに反応してしまった久遠を、自分を痛めつけた親に仕返しもできなかった弱者だ、と罵倒。久遠は、山原を殴ってしまう。
その様子をモニターしていた伊達は、捜査一課を飛び出すと、実験室にやってくる。怒った久遠は、山原に改造銃を突き付け自白を強要する。そして、こんな悪人が捕まえられない世の中が許せない、と怒りに震え、引き金に手をかけた――そのとき、山原はベルトを使い晴香を殺害した、と認めた。が、次の瞬間、自分でロープをほどいて立ちあがり、持ち上げた椅子で久遠を殴った。そして、これは正当防衛であるし、先ほどの自白も強要されたのだから、自分は罪には問われないだろう、と伊達に聞く。
しかし、伊達は凶器がベルトであることは、マスコミにも発表されていない犯人しか知り得ない事実だと指摘。晴香、猪俣は、お前が殺したんだ、と山原に迫る。山原は、ついに罪を認め、晴香が父親のために貯めていた金を使い込んだことを責められたことが殺害理由だと自白。しかし、反省するどころか、救いようのないバカがふたり死んだだけだ、とまったく悪びれる様子もない。さらに、晴香に日常的に暴力を振っていたことも明かす。
気持ちがたかぶった久遠は、再び改造銃に手をかけ、山原めがけて引き金を引いた――と、同時に伊達が銃をつかみ弾道をそらした。そして伊達は、殺さずに終わりのない苦しみを味あわせるんだ、被害者たちのように、と久遠を諭すと、自ら山原の首を絞め意識を失わせる。久遠はそんな伊達に、自分も普通ではない、苦しくてどうにかなってしまいそうだ、と心の内を吐露。久遠に、昔の自分を重ねた伊達は、山原が持っていた晴香の貯金通帳と印鑑を手渡し、これを晴香の両親に届けるのが、最初の仕事だ、と声をかける。
その後、久遠とともに車に乗り込んだ伊達は、後部座席に眠る山原を"終身刑"にすると告げる。山原は、ある場所に閉じ込められて、一生をそこで過ごすのだという。
やがて、車がついたのは埠頭だった。伊達と久遠が車を降りるとひとりの男が待っていた。三上国治(大杉漣)だった。
第4話「無差別殺人に隠されたナゾ」のあらすじ
法から逃れた者に制裁を加えていた伊達一義(堺雅人)は、その行為に久遠健志(錦戸亮)を巻き込んだことを三上国治(大杉漣)から責められる。伊達は、久遠が昔の自分に似ていて放っておけなかったと弁明する。
その頃、11人を死傷させた無差別殺人犯・椎名高弘(窪田正孝)に心神喪失が認められ、無罪の判決が下った。
久遠は、事件発生当初から被害者のうち女子高生・皆瀬桃子(金澤美穂)だけが3度も刺されていることを問題視。もしも桃子を狙った犯行ならば、心神喪失は偽装になるのでは、と指摘していた。しかし、無差別殺人の路線が崩されることはなかった。
そんな久遠の話を聞いた伊達は、確定した無罪が覆ることはないと知りつつも、3日間の休暇を取ると桃子の自宅へ。しかし、桃子の父・士郎(甲本雅裕)は、桃子と椎名に接点はなかったはずだと答える。
その後、桃子の携帯電話を調べると、友人・柏木奈美(近藤未来)から「店にあいつが来ていた」というメールを受信していたことがわかる。伊達は、奈美が働くカラオケ店を訪ねるが、奈美はメールを覚えていなかった。さらに伊達は店長(まいど豊)に、防犯カメラの映像を見せてくれと頼むが、休暇中で刑事だと言えないため拒否される。すると、宮城あすか(杏)が現れ、スッと警察手帳を掲げた。
伊達とあすかは、映像を丁寧に調べていくが、なかなか収穫は得られない。が、夜も更けたとき、ある映像が伊達の目に止まる。それは、喫煙で補導された3人組の高校生で、そのなかのひとりが椎名だった。さらに映像から、店で働く桃子と、姿は隠れていたが士郎がいたこともわかった。
士郎は、桃子に傘を届けに行ったとき、喫煙する高校生を見て注意をしたが、3人が反抗的な態度を取ったため警察を呼んだと証言。その後、補導された椎名が高校を退学させられたと聞いた士郎は、それなら自分への復讐のために娘を殺したことになるし、心神喪失は偽装になるから裁判をやり直してほしいと訴える。しかし伊達は、新たな証拠が出てもそれが被告人に不利になる場合は認められないのだ、と法律の限界を説明する。
そんな翌日、椎名が収容されている病院に、「椎名高弘を殺害する」と書かれた脅迫状が届けられ、指紋から士郎の犯行だと断定される。椎名の身に危険が及んでいることから、県警本部で椎名を保護することに。早速、護送されてきた椎名は会議室で待機していた。そこへ、やってきたのは伊達だった。伊達は椎名に声をかけるが、心神喪失を装うかのように椎名は答えない。そんなとき、伊達の携帯が鳴った。それは士郎からで、あすかを人質に取っているから、椎名を連れてあるライブハウスまで来いと言う。県警本部にいる椎名を連れ出せない、と答えた伊達に、士郎は何としても連れて来いといって電話を切る。それを聞いていた椎名は、「一緒に行ってあげるよ」と不敵な笑みを見せる。
「椎名を少し借ります」というメモを残すと、椎名を車に乗せ、伊達はライブハウスへと向かう。車中、椎名は桃子を殺害した動機を、自分の人生を台無しにした士郎の惨めな姿を見たかったからだと明かす。伊達は、さらに椎名が桃子に好意を持っていたことを言い当てる。思わず核心を突かれ興奮した椎名は、心神喪失を装うために、桃子以外に10人を刺したのだと遂に認めた。
ライブハウスに着いた伊達は、椎名を士郎に対面させる。椎名は怒りに震える士郎をバカにし、さらに桃子のことも侮蔑した。怒りが抑えられない士郎は、持っていた包丁を構えると椎名に向かい突進して行く――と、それを受け止めたのは伊達の右手だった。
やがて、来栖淳之介(平山浩行)らが現場に到着。士郎は、手錠をかけられ連行される。その姿を見て、椎名はまたも暴言を吐く。
その後、椎名が病院に戻ったことを確認した伊達は、その旨を三上に報告する。
するとその日の夜、椎名は医師らに言われ急きょ退院することに。マスコミ対策のため、深夜に裏口から出てくれと言われ、椎名はひとり病院を後にする。しかし、この退院は三上が仕組んだ罠だった。
同じ頃、片桐冴子(りょう)は、井筒将明(鹿賀丈史)に会い、どうして警察は"神隠し"を追わないのか、と迫まるが、明確な答えは得られずにいた。
椎名が深夜の街を歩いていると、後ろから黒づくめの伊達が、前方からは久遠が現れた。そんな伊達らに、自分は選ばれた人間だからあんなに殺しても罪に問われない、とまったく悪びれた様子を見せない椎名。伊達は、そんな椎名に銃口を向け、だったら自分が裁くと言って発砲する。撃たれて地面に倒れた椎名は、意識が朦朧とするなか、自分が精神鑑定で心神喪失を装えたと本気で思っているのか、と意味深な言葉を残す。
その後、埠頭で待っていた三上に椎名を引き渡すと、久遠が制裁を下された者たちはどこに閉じ込められているのか、と伊達に疑問を投げかける。しかし、伊達は、自分は知らないし知りたいとも思わない、と答えるだけだった。
その後、バーに戻った伊達は、椎名の意味深な発言に何か引っかかりを感じ...。
第5話「金の亡者...女弁護士の非情」のあらすじ
伊達一義(堺雅人)は、無差別殺人犯・椎名高弘(窪田正孝)が、どうやって心神喪失を装っていたのかが気にかかる。宮城あすか(杏)は、精神鑑定士を上手くだましたのでは、と言うが腑に落ちない。
そんな折、練炭自殺を図った男女3人の遺体が発見された。3人は、昨年起きた、高校生殺人事件の被害者家族だった。被害者家族がなぜ――と驚くあすかに、久遠健志(錦戸亮)は、3人の個人的な問題を派手に書きたてた週刊誌の記事を見せる。伊達は、たとえ記事が真実だったとしても、一家心中を図るまで追い込まれた理由が気になる。すると、記事を見ていたあすかが、伊達を呼ぶ。なんと、高校生殺人事件の加害者の弁護士と、椎名を担当した弁護士が同じだと言うのだ。
早速、伊達とあすかは、弁護士・氷川成美(鈴木砂羽)を訪ね、被害者家族がバッシングを受けるようになった原因が、成美の発言にあったのでは、と切り出す。しかし成美は、それを一蹴。さらに、椎名の鑑定も、心神喪失で間違いはないと自信を覗かせる。そんななか、片桐冴子(りょう)から、椎名の鑑定を行った精神鑑定士・幸田弘道(小須田康人)が行方不明になっているとの情報が入る。伊達と同様、椎名の偽装だけで鑑定結果が誤魔化せるはずはないと感じていた冴子は、鑑定士に目を付けたのだ
翌日、伊達とあすかは、幸田の自宅を訪ねる。妻・京香(春木みさよ)は、最近、幸田の様子がおかしかったと証言。伊達らが自宅を調べると、金庫から京香に宛てた遺書が見つかり、そこには、椎名の精神鑑定結果を改ざんしたと書かれていた。遺書を見つけたことで京香は動揺するが、伊達は、遺書は人目につきやすい場所に置くものだから、金庫にあったということは自殺の前段階だと考えていい、と話す。さらに、金庫には預金通帳があり、そこに氷川弁護士事務所から500万円の入金記録があった。ところが、同じ日にその全額が、柿原沙世という人物宛てに振り込まれていた。
その後、伊達が柿原沙世(菅原禄弥)を取り調べたところ、沙世はいわゆる美人局で、幸田と撮った写真をネタに500万円を要求していたことがわかる。しかし、沙世は、金は好意でもらったものだと主張。そんなところへ、沙世の担当弁護士だといって成美がやって来る。
伊達は、幸田に精神鑑定の改ざんを引き受けさせるために、成美が沙世を幸田に接近させたと確信。伊達の主張を聞いた成美は、自分は幸田に、椎名をどうしても勝たせたい、希望の報酬を支払うから力を貸してほしいと言っただけで、改ざんを頼んだ覚えはない、と言い切る。
その頃、あすかは冴子に呼び出され、ある原稿を手渡され、見返りにあすかの兄・夏樹(丸山智己)の事件を一緒に調べてほしいと言われる。冴子が追う"神隠し"が、夏樹が殺害された頃から始まっているため、夏樹の事件に"神隠し"にたどりつくヒントが隠されているかもしれない、と言うのだ。
そんな折、幸田から電話があった、と京香から伊達に連絡が入る。幸田は、自分がやったことは決して許されないことだ、と自殺を思わせる口ぶりだったと言う。その通話記録から、幸田は三浦海岸の公衆電話からかけていたことがわかり、来栖淳之介(平山浩行)らが急行するが、現場に幸田の姿はなかった。
幸田が京香に電話をする前に、成美に電話をしていたことを知った伊達は、成美に幸田の居場所を教えてほしいと頼む。幸田を見つけ真実を聞きたいという伊達に、成美は、鑑定結果を改ざんして自責の念にかられ、自殺を思い立ったというのが真実だろう、と平然と言う。伊達は、成美が沙世の強請りを利用して椎名の鑑定結果を改ざんさせ、今度はその改ざんを理由に自殺を強いたのだ、と成美に迫る。成美は、そんなことで自殺はしないだろう、と言うが、伊達は、幸田は妻を巻き添えにすることに耐えられず、死を選ぼうとしているのだ、と答える。
その頃、あすかは、京香から幸田の居場所のヒントを聞いていた。そんななか、京香は夫がどうして脅されたくらいで死のうとしているのか理解できない、と話す。するとあすかは、迷いながら、「精神鑑定士の妻 息子を殺した過去」と書かれた原稿を差し出す。それは、冴子から渡されたもので、そこには、3歳のときに事故で亡くなった幸田夫妻の息子・伊吹に関することが書かれていた。伊吹は事故死だが、京香に落ち度があったかのように書きたてている原稿が世の中に出たら、京香が傷つくと思った幸田は、それを出版させない約束を成美とした代わりに死を選ぼうとしていたのだ。
その後、伊達の説得で、成美は幸田が三浦海岸の漁協跡にいると明かし、連絡を受けた久遠、来栖らが急行する。しかし、そこに幸田はいなかった。と、あすかから、幸田があるホテルにいることが確認されたと連絡が入る。ところが、来栖らが着いたときには、幸田は自殺を図っていて、かろうじて息はあったが、病院に搬送される前に死亡したという。
成美は、時間を稼がせるために、わざと違う場所を教えたのだ。伊達に幸田の死を告げられても、成美は表情を崩すこともなかった。
その夜、事務所にいた成美のところに、黒づくめの伊達と久遠が現れる。伊達は、幸田を自殺に追い込んだのは成美だ、と迫るが、「だったら何?」とまるで悪びれる様子もない。そして、自分は法には触れていないし、法を犯さなくても人は殺せるのだ、と言い放つ。伊達は、そんな成美に銃口を向けると「お前に明日は来ない」と言い、発砲する――。
その頃、県警本部でひとり夏樹の事件の捜査資料を見ていたあすかは、資料が1枚抜かれていることに気づく。すると突然、肩を叩かれた。そこには、井筒将明(鹿賀丈史)が立っていた。
第6話「子供の虐待...救えない命...」のあらすじ
ある街で、宝石店などを狙った窃盗傷害事件が連続で起き、伊達一義(堺雅人)らはその捜査を担当する。
そんななか、事件を管轄する警察署から捜査一課にクレームが入った。久遠健志(錦戸亮)が、その付近で父親から虐待を受けていると噂される小学生・吉永文弥(渡邉甚平)を自宅に訪ねたからだ。すでに所轄の警察官が父親に会い、虐待はなかったと確認したのに、県警本部の久遠が訪問したことで所轄は体面を汚されたというのだ。結局、減俸に処されたが文弥が虐待されていると確信する久遠は、伊達から携帯電話を借りると、訪問時に文弥に渡した自分の携帯電話にメールを送る。そこで、自分も親から虐待を受けていたこと、それでも友だちにはそれを知られたくなくて誤魔化していたことを明かす。
同じ頃、久遠に父親から虐待されていた過去があったと知った伊達は、文弥の自宅周辺で聞き込みをはじめる。すると、文弥の父親・広之(高杉亘)が、酒グセの悪さで評判になっていることがわかる。久遠は、野球好きの文弥とキャッチボールをするなどして、距離を縮めていた。文弥は、虐待は認めないものの、自分を守ろうとする久遠の存在が心強かった。
その頃、宮城あすか(杏)は、"神隠し"を追う片桐冴子(りょう)の協力を得て、兄・夏樹(丸山智己)殺害事件の真相を突き止めようと動いていた。そのなかで、井筒将明(鹿賀丈史)が、夏樹殺しの容疑者だったという事実を知る。
そんな折、文弥が団地の4階にある自宅から飛び降りて死亡した、との知らせが入る。現場に駆け付けた久遠は、文弥の変わり果てた姿を見て立ち尽くす。そして、あすかが事情聴取していた広之に目をやる――と、広之は、文弥は学校でいじめに遭っていたらしい、としおらしい態度で話していた。そんな広之に久遠の怒りが爆発。いきなり殴り倒すと、さらに馬乗りになって殴ってしまう。
鑑識の捜査の結果、ベランダの手すりにあった両手の指紋と左足の足紋が文弥と一致したことから、自殺の可能性が濃厚となる。
伊達は、署内で謹慎させられている久遠にそのことを報告。久遠は、翌日に自分と野球の試合を見に行く約束をしていた文弥が自殺するわけがない、と反発するが、伊達は、それを示すメールだけでは判断できないし、そもそも広之が虐待していた事実さえ立証できないだろう、と答える。それでも久遠は、広之が文弥を殺害したのは間違いない、と必死に訴える。
その後、伊達は文弥宅を訪ね、再び現場を見ることに。そして、広之の前で、文弥がしたというように、ベランダの手すりをつかみ左足を乗せる動作をしてみせる。左足を乗せたのは左利きだったからか、と尋ねる伊達に、広之はそうだと答える。すると伊達は、文弥は右利きだが、あるプロ野球選手に憧れて、左投げ左打ちに変えていたことを明かす。文弥が久遠に送ったメールに、書かれていたのだ。広之は、右利きでも左足を上げることもある、と反論。伊達も、それ自体が証拠になるとは思わないが、それでも自分には違和感のある事実だ、と明言する。さらに、文弥がスポーツバッグのなかに隠していた複数の酒瓶を見せ、文弥は、広之に酒を止めてほしかったのだろう、と言う。
一方、窃盗団を追っていた来栖淳之介(平山浩行)らは、ついに、犯人と思われる若者3人組を確保する。あすかは、そのうち見張り役だった男を事情聴取。すると男は、文弥がベランダから突き落とされるのを目撃したと証言する。
そんなあすかからの電話を受けたとき、伊達は、埠頭にいた。久遠が独断で広之を制裁し、三上国治(大杉漣)を呼びだした現場に駆け付けたところだった。これで広之を逮捕できる、と言う伊達に、久遠は"神隠し"に遭わせると譲らない。文弥に、幼い頃の自分を重ねていた久遠は、どうしても広之が許せないのだ。伊達は、そんな心情を理解しつつも、自分たちがやっていることは復讐ではないのだ、と諭す。そして、久遠は気づいていなかったが、文弥からのメールの最後に「勇気をくれて、ありがとう」とメッセージがあったことを伝える。虐待に耐える日々から抜け出そうとしていた文弥のためにも、広之ではなく、自分自身の辛い過去を闇に葬るんだ、と説得する伊達。久遠はついに、それを受け入れた。
後日、警察で取り調べを受けた広之は、自分の罪を認め、泣いて謝罪する。
その頃、久遠は、父親・荘平(螢雪次朗)が暮らす介護施設にいた。車椅子に座り介護士に世話される父親の姿を見た久遠は、近寄って声をかけるが、荘平は久遠を認識しない。久遠は、そんな父親の掌に、母親の形見のブローチを握らせると、その場を立ち去る。
そんな日の夜、来栖は捜査一課にやってきた冴子に、どうして5年前のコンビニ強盗殺人事件を追っているのか、と尋ねる。資料によると、当時、伊達と井筒がその事件を追っており、それが、夏樹殺害事件の井筒のアリバイとなっているものだからだ。来栖が事件を知っていたことに冴子が驚くと、来栖は自分も伊達と一緒に事件を追っていたのだ、と話す。そして、井筒が捜査に加わっていたことは一度もない、と驚くべき証言をする。
同じ頃、三上のバーにいた伊達は、5年前のことを思い出していた――。当時、刑事だった三上に呼び出された伊達は、井筒のアリバイ工作をした理由を聞かれていた。井筒はやっていないのに、警察全体が井筒を犯人に仕立て上げているように思ったからだ、と答える伊達に、三上は、夏樹の捜査が打ち切りになったと伝える。そして、警察内部に夏樹殺しの犯人がいるのは確かだが、上層部がそれをもみ消そうとしていること、さらに、自分も井筒が犯人だと思っていることを、打ち明けた。
伊達がそんなことを思い出し、考えを巡らせているとき、バーのドアが開いた。入ってきたのは、井筒で...。
第7話「模倣犯現る...間違った正義」のあらすじ
ある男が殺害され、遺体の上に「悪人に制裁を」と書かれたカードが残されていた。伊達一義(堺雅人)、久遠健志(錦戸亮)は、自分たちが行っている制裁行為を真似た模倣犯かもしれない、と思う。が、だとすると、制裁行為は一般に報道されていないため、警察の人間の犯行ということになる。
そんな折、根津健太(山中崇)という男性の遺体が発見された。根津は、後頭部を強打され死亡したが、現金が奪われていたため、宮城あすか(杏)は、通り魔の可能性を示唆する。一方の伊達は、根津のズボンのポケットの裏地が出ていることが気になる――と、同じタイミングで、ポケットから何かが抜き取られた形跡があると指摘する者がいた。伊達とコンビを組むことになった港北西署刑事課の日向光明(忍成修吾)だった。
翌日、伊達は日向と根津の妻・美代子(尾野真千子)から事情を聞く。美代子は、根津には仕事以外に悩みはなかったと証言。しかし、日向が食い下がると、根津の弟・忠士(遠藤要)が頻繁に金の無心をしてきていたことに頭を悩ませていたと明かす。そんな美代子に日向は、忠士が犯人なら殺してやりたいか、と尋ねる。警察官としてあるまじき質問に、伊達は日向をとがめるが、美代子は「殺してやりたい」と答える。
同じ頃、あすかは日向の同僚の刑事・吉住武徳(飯田基祐)と、健太の上司・江原(水野智則)を訪ねる。江原は、数日前、健太の留守に忠士が鉄パイプを持って会社に現れ、騒動になっていたことを明かす。
そんな折、根津の殺害現場付近で鉄パイプが見つかり、忠士が取り調べられることに。鉄パイプに忠士の指紋があったことが証拠となり、来栖淳之介(平山浩行)らは忠士を自白させようとするが、伊達は忠士の犯行ではないと言う。忠士には4日前に手のひらに負った大きな切り傷があったのだ。健太が殺害されたのは2日前だから、忠士が犯人ならば、鉄パイプの指紋にも傷跡があるはずだ。つまり、鉄パイプの指紋は、健太の殺害前、会社に乗り込んだときについたものだろう、と伊達は推測したのだ。
翌日、伊達は日向とともに江原を訪ね、健太を殺したのは江原だろうと切り出す。健太のパソコン内に、江原が行っていた不正を暴こうとしていたメールがあったのだ。健太は証拠のデータをUSBメモリに入れ携帯していたため、それを奪おうとした江原に殺されたのだろうと伊達は言う。さらに、健太の爪の間に、犯人のものと思われる皮膚が残っていたこと、現在、江原のDNAとの照合を行っていることを明かすと、また来ると言って席を立った。江原に自首する猶予を与えた伊達を、日向は「ぬるい」と揶揄する。
そんな頃、井筒将明(鹿賀丈史)は、片桐冴子(りょう)を呼びだすと、5年前に起こった宮城夏樹(丸山智己)殺害事件から手を引くように言う。これ以上追うと、冴子の身に危険が及ぶと警告する井筒に食い下がる冴子。すると井筒は、夏樹は自分が殺した、と衝撃の告白をした。
その日の夜、とある駐車場で、江原が銃殺され、遺体の上に「悪人に制裁を」と書かれたカードが残された。実は、犯行に及んでいたのは、日向だったのだ。現場に駆け付けた来栖らは、"神隠し"か、と気色ばむが、伊達と久遠は日向の仕業だと感づいていた。しかし、日向にはアリバイがあった。江原が殺害された時刻、日向は健太宅で美代子と話していたと言い、防犯カメラの映像と美代子の証言もそれを裏付けた。それでも久遠は、非常口から出入りすれば犯行に及べるし、美代子がグルである可能性も否定できない、と推測。伊達は、美代子に話を聞きに行く。
伊達の訪問を受けた美代子は、日向のアリバイを裏付ける証言を繰り返すだけだった。アリバイ工作に加担すれば、美代子自身も罪に問われるのだ、と言う伊達に、美代子は涙ながらに自分の証言を認めてくれればいいじゃないか、と訴える。美代子は、伊達の推測が真実なら自分はいけないことをしているが、それでも、心のどこかが清々しているのも事実だと心の内を吐露。伊達は、それ以上言葉を発することはできなかった。
その日の夜、三上国治(大杉漣)のバーに立ち寄った伊達は、自分たちが行っている制裁行為の是非について思いを巡らせていた。
翌日、久遠は日向を呼び止め、江原に共犯者がいたと明かす。そして、その男とコンタクトしたところ、保護を求めてきたため、伊達にその男がいる第九倉庫に行くように伝えてくれ、と頼む。
その後、倉庫にやってきたのは日向ひとりだった。暗い倉庫のなか、自首するから、警察署に連れて行ってくれ、と男の声がした。ところが、日向は保護するどころか男に向け、銃を撃ち続けた。と、人影が音を立てて倒れた――次の瞬間、電気が点いた。人影はマネキンで、後ろを振り向くと、日向に麻酔銃を向けて立つ伊達の姿が、その近くには久遠の姿もあった。
江原に共犯者がいたというのは、日向の正体を暴くため、伊達と久遠がうった芝居だったのだ。
伊達に対峙した日向は、伊達も自分も、遺族を助けるために法を無視して人を裁く同じ仲間だ、と言うが、伊達は「お前と一緒にするな」と声を荒げる。それでも、自分たちは救世主だ、と続ける日向に、お前は人を殺したいだけで、お前のやっていることはただのエゴだ、と伊達は反論。そんな伊達に日向は、それならば伊達のやっていることはエゴではなく正義なのか、と問う。伊達の心が一瞬揺れたのを、日向は見逃さなかった。と、次の瞬間、何者かが伊達を背後から殴打、伊達は倒れてしまう。すると、日向が「遅かったね。兄さん」とその男に声をかける。それは、吉住だった。吉住から銃を受け取った日向は、「救世主はひとりでいい」というと、伊達に銃口を向けた。
その頃、久遠は吉住に襲われ倒れていた――と、銃声が響き......。
第8話「衝撃の死...伊達最大の危機」のあらすじ
伊達一義(堺雅人)は、法から逃れた者を殺害していた日向光明(忍成修吾)に撃たれ、負傷する。すると、そこに日向の兄・吉住武徳(飯田基祐)が現れ、伊達が落とした銃を拾い、それが麻酔銃である――つまり、これまで制裁を加えた人間が殺されていないことを知ってしまう。
一方、目を覚ました久遠健志(錦戸亮)は、付近で倒れている日向を見つけ、伊達の所在を尋ねる。しかし、日向は、自分も久遠と同じ男に襲われて倒れていたので知らないとウソをつく。
そんなとき、久遠は伊達のものと思われる血痕を見つけたどっていく――と、血文字で「YT」と書かれた段ボールに行き当たる。
捜査一課では、伊達不在のなか、前夜に起きた木本志保というスナック経営者殺害事件についての会議がはじまった。宮城あすか(杏)は、志保と店の常連客・宮前史人が口論をしていたという証言を報告。すると、宮前にアリバイがあるにもかかわらず、日向は宮前の犯行だろうと、決めつける。
その頃、久遠は三上国治(大杉漣)から、「YT」を指すと思われる吉住が、日向の腹違いの兄だと聞かされる。しかも、ふたりは幼い頃にそれぞれの母親を殺されていて、立件はされていないが、容疑者は父親だったという。そして、5年前、その父親を裁いたのが三上なのだという。
同じ頃、伊達は、吉住から父親の居場所を教えるように、と暴行を受けていた。吉住と日向は、父親を捜し復讐するために刑事になった。そして"神隠し"を模倣したのも、伊達らを誘い出して父親のことを聞くためだったという。父親が殺されていれば、それで納得するつもりだったが、"神隠し"に遭った後、どこかで生きているならば、自分たちの手で殺す――。そういって、吉住は執拗に伊達に父親の居場所を迫った。
そんなとき、吉住の携帯に所轄のトップから連絡が入り、吉住は伊達を残してその場を立ち去る。と、そこへ、やってきたのは久遠と三上だった。吉住に連絡が入ったのは、三上の手まわしだったのだ。ふたりは、倒れていた伊達を救助し、極秘入院させる。
宮城夏樹(丸山智己)殺害事件を追う片桐冴子(りょう)は、井筒将明(鹿賀丈史)を呼びだすと、夏樹が借りていた貸金庫に預けられていたCD-ROMを見つけたことを明かす。そして、その中身が何なのか教えてほしいと迫る。
同じ日の夜、「悪人に制裁を」と書かれたメッセージとともに、宮前が殺害された。犯人は、一連の事件と同様、日向だった。これにより、スナック経営者・志保殺害の件は、被疑者死亡で書類送検されてしまう。しかし、何かが引っ掛かるあすかは、久遠に現場で採取した宮前の足跡の鑑定を頼む。すると、歩数や足の重心のかけ方の違いから、何者かが宮前の靴を履き、足跡を残した上で志保の殺害に及んでいたことがわかった。再度、聞き込みをした結果、店に勤めるホステスが犯行を自供した。
この報告を聞いた吉住は、無実の宮前を殺害した日向を責める。しかし、日向は、世の中は自分たちを必要としている、とまるで悪びれる様子がない。そんな日向に吉住は激怒。すると、日向は吉住に落ち着くように言うと、飲み物を差し出す。そこには毒が入っていて、飲んだ吉住は絶命する。
翌日、冴子は入院中の伊達を訪ねると、あすかに渡して欲しいとCDを差し出す。そんな冴子の表情から何かを感じ取った伊達は、何かあったのか、と尋ねるが、冴子は答えることなく病室を後にする。
一方、死亡した吉住は、日向の工作により、一連の制裁事件の犯人に仕立て上げられたうえ、自殺した、とされてしまう。そんな様子を見ていた日向のもとに、根津美代子(尾野真千子)から連絡が入る。夫を殺害された美代子は、事件を担当した日向に「犯人を殺してやりたい」と言ったばかりに、日向のアリバイ工作に加担させられていた。しかし、思い悩んだ末に、警察に自首することを決めた、と日向に伝えたのだ。日向は美代子に思いなおすように言うが、美代子の決意は固かった。すると、日向はもう一度だけ話がしたいと言って、とある倉庫に美代子を呼び出す。
倉庫にやってきた美代子に、日向は銃口を向ける。と、そこに伊達と久遠が現れた。これ以上、罪を重ねるな、と制止する伊達に、日向は自分は伊達の代わりに制裁行為を行っているだけではないか、と言い放つ。そして、伊達自身が、自分の行いが正義といえるかどうか迷っているはずだ、とたたみかける。伊達は、自分のしていることが正義だとは言わないが、それでも裁かなければいけない現実があるのだ、と反論する。
そのとき、伊達の脳裏に、3年前、初めて制裁を行った日の記憶がよみがえる――。三上に渡された麻酔銃で狙いを定めたのは、伊達の両親のほかにも多くの人間を殺害しながら、法から逃れていた灘木剛士(斎藤歩)だった。"神隠し"に関わっていると知った三上から事情を聞いた伊達は、迷いながらも、ついに発砲した。
そして、伊達は、日向にも麻酔銃を撃つ――。
その頃、捜査一課にいたあすかは、冴子から渡されたCDのケースを開ける。と、中にはCD-ROMと、冴子からのメッセージがあった。
伊達と久遠が、眠らせた日向を車のトランクに積み込んだとき、伊達の携帯が鳴った。相手は冴子だったが、会えないか、というその声からは異変が感じ取れた。伊達は急いで現場に向かうが、冴子は腹部から大量の血を流し瀕死の状態だった。誰にやられた、と聞く伊達に、冴子は「夏樹もこうやって殺されたんだね」と力なく答える。そして、ほどなくして、動かなくなった。
と、そこに、あすかがやって来る――。
第9話「時効...真実に怒りの裁き!」のあらすじ
伊達一義(堺雅人)は、片桐冴子(りょう)が5年前に刺殺された宮城夏樹(丸山智己)と同じ手口で殺害されていることに気づく。鑑識の捜査の結果、凶器も夏樹殺害と同じサバイバルナイフだったとわかった。
事件後3日が経っても、冴子を殺した犯人の目撃情報すら出てこない。井筒将明(鹿賀丈史)らは、プロの犯行だと断定。警察官の犯行の可能性もあると聞いた宮城あすか(杏)は、言葉を失う。
そんな折、5年前に時効が成立した事件の遺族が、新たな手がかりを見つけたと言ってやってくる。それは20年前、当時大学生の娘・美咲(森口彩乃)を殺害された母・小原節子(梅沢昌代)だった。節子が持参したのは、美咲が亡くなる1ヵ月前に20年後の自分に向けて書いた"未来郵便"で、そこには、「S先生と自分はどうなっているんだろう」と書かれていた。
節子は、そんな人物を知らないが、その者が犯人に違いないと感じていると言う。時効直前、その事件を追っていたのは冴子だった。捜査資料に冴子の名前を見つけた伊達は、時効度外視で事件を追うことを決める。
その後、伊達と久遠健志(錦戸亮)が、「S先生」について調べていると、美術教師の鈴川孝太(佐野史郎)という人物に行き当たる。
同じ頃、あすかは夏樹が貸し金庫に預けていたCD-Rを開けずにいた。思いつくままにパスワードを入力するが、どれも合致しない。久遠に助けを求めると、一緒にいた伊達が、夏樹の携帯電話のメールにヒントがあるのではないかと言う。そして、削除されていたデータの復元を久遠に依頼する。
後日、鈴川が経営するギャラリーにやってきた伊達は、鈴川に美咲の件を切り出す。すると鈴川は、美咲と付き合っていたことは認めたが、殺害は否定した。そんななか伊達は、鈴川が自分の血液を使って描いたという絵を持ち帰り、久遠にDNA鑑定を頼む。その結果、美咲殺害現場に残されていたDNAと一致することがわかった。
さらに、久遠は、CD-Rのパスワードが「JOKER」であることも突き止めた。伊達、あすかが見守るなか、パスワードを入力すると、パソコンの画面に数字や記号が現れた。それは、警察の機密費が、JOKERという口座に振り込まれていることを示していた。
また、次のページには、「UNDERGROUND V(アンダーグラウンド ファイブ)」との表記があり、元警察官たちの名前が書かれた名簿があった。アンダーグラウンド ファイブとは、地下5階を意味する。名簿に名前がある人物が警視庁のOBであることから、警視庁の地下5階に何かあるのでは、とあすかが尋ねる。しかし、警視庁には地下4階までしかないのだ。
地下5階の謎が気になるあすかは、警視庁に行き、地下を調べ始める。とそこへ、井筒が現れた。真実が知りたい、と訴えるあすかに、井筒は重い口を開く――。
それは、5年前、警察内部に不透明な金が流れていることに気付いた井筒は、そのことを夏樹に告げた。正義感の強い夏樹はすぐに捜査を開始し、井筒も情報屋を使い内偵を進めた。ところが、1ヵ月後、情報屋が何者かにより殺害され、その後すぐに、夏樹も同じ手口で殺害されたのだ。井筒は自分たちが探ろうとしていたものが、非常に危険な真実だと確信し、夏樹に事件から手を引くようにと警告した。しかし、真実を追求したい夏樹はそれを聞かず、事件を追ったのだ。
自分が無理にでも止めていれば、夏樹は死なずに済んだのかもしれないと、井筒は悔恨の表情を見せた。また、冴子とあすかの身を守るために、夏樹事件の捜査資料を抜き取り、真実から遠ざけようとしたことも明かした。しかし、冴子が殺害された今、必ず犯人を探し出す、とあすかに誓った。そんなふたりのやりとりを、身を潜めて見ている人物がいた。
その頃、伊達は美咲殺害を自供した鈴川を取り調べていた。容疑を全面的に認めた鈴川だったが、時効が成立しているため、不起訴処分となる。しかし、伊達はさらに鈴川の件を調べ、鈴川が複数の生徒にヌードモデルになるよう強制したうえ、裸体を隠し撮りし、脅迫のネタに使っていたことを掴む。美咲もそんな被害者のひとりだったが、卒業を機に鈴川を訴えると言い出したため、殺害されたのだ。しかも驚くべきことに、20年経った今も、鈴川は同じ手口で女性らを脅迫していたのだ。伊達がそのことに言及しても、反省の色すら見せない鈴川。伊達は、そんな鈴川に向かい麻酔銃を発砲した。
一方、あすかは、「JOKER」を名乗る人物からCD-Rと引き換えに、夏樹を殺した犯人を教えると言われ、冴子が殺害された倉庫へやってくる。と、そこへ久遠も現れる。久遠は、フードを被りナイフを持った男が、あすかを追おうとしているのを引きとめた。ふいをつかれ振り返った男に久遠は、「あんたが宮城夏樹と冴子さんを殺したのか」とにじり寄る。そして、こんな真実なら知りたくなかった、と言ったとき、男にナイフで腹を刺される。すると、物音を聞きつけたあすかが駆け下りてきた。あすかを認めた男は、逃走してしまう。
その頃、伊達は、眠らせた鈴川を乗せた車を走らせていた。あすかから、非常事態を告げる電話がかかっていることにも気付かずに...。
最終回「神隠し...解き明かされる謎の黒幕? 衝撃の結末」のあらすじ(ネタバレ注意)
伊達一義(堺雅人)は、宮城あすか(杏)から、久遠健志(錦戸亮)が何者かによって刺されと聞き、久遠が搬送された病院へ駆けつける。
昏睡状態の久遠に付き添っていたあすかは、ジョーカーを名乗る男から呼び出されたこと、久遠が、片桐冴子(りょう)や宮城夏樹(丸山智己)を殺した犯人がわかるかもしれない、と言っていたことを伊達に伝える。
久遠が使う鑑識課倉庫に戻った伊達は、そこで科捜研から届けられた封筒を見つける。中は空だったが、久遠が何かしらの情報を得たことがわかった。
そんな頃、あすかがパソコンで、夏樹が残したCD-ROMを見ていると、井筒将明(鹿賀丈史)が背後に立っていた。井筒は、警察OBの大物の名前が羅列されたなかにある数字に興味を示すが、あすかはそれが何かは知らない、と返答。すると、井筒はあすかの安全のため、CD-ROMを預かると言う。あすかは、井筒の隙をついて、ケースだけを渡す。
その後、伊達は、滝川美菜(鈴木凛)に頼み、久遠が科捜研に依頼していたDNA鑑定の報告書を入手。それを見た伊達は、言葉を失う。
報告書を手にした伊達は、三上国治(大杉漣)のバーにやってくると、迎えた三上に、冴子を殺した犯人がわかったと告げる。当初、犯人は警察内部にいると思われたが、犯行現場から採取されたDNAは、現場にいた捜査員のものだけだった。そのため、警察関係者以外の犯行かとも思われたが、久遠が警察OBまで対象を広げてDNA鑑定を依頼したところ、驚べき結果が出た。結果を記した報告書にあったのは、三上の名前だった。伊達は、三上が夏樹と冴子を殺したのだろう、と言う。
現場で採取されたのは、三上の毛髪だった。伊達からそう聞いた三上は、自分がそこにいたことは証明できても、犯行に及んだ証拠にはならないだろう、と言い逃れるように答える。そして、伊達が困惑した一瞬の隙を縫って麻酔銃を取り出すと、発砲した。その場に倒れ込む伊達に、自分にはまだ仕事が残っていると言って、店を出ていく。
その後、覚醒した伊達は、井筒を呼んで拘束を解いてもらうと、その足で久遠の病室を訪ね、付き添っていたあすかに三上のことを話す。
捜査一課では、三上確保のための捜査会議がはじまった。井筒は、来栖淳之介(平山浩行)らに、三上の経歴と交友関係を当たるよう指示。刑事たちが一斉に散らばっていくなか、CD-ROMを持っていて身に危険が及ぶ恐れのあるあすかには、待機を命じる。
井筒は、伊達を別室に呼ぶと、三上がCD-ROMの内容に関して言及していたかと聞く。「UNDERGROUND V(アンダーグラウンド ファイブ)」に関係しているとは知っていたようだ、と答えた伊達は、三上も一員だという「UNDERGROUND V」がどんな組織なのか、と聞く。井筒は、それはいわば「裏の警察」で、警察が国家警察だった頃に発足したといわれるものだと説明。巨悪な事件を極秘に扱ってきたが、警察の民営化によって壊滅したはずだったが、警察OBの手によって復活したと噂されていたという。井筒は、警察の裏金が流れている「ジョーカー」という組織と、CD-ROMの最後のページにあった数字の羅列が、一連の事件のカギを握っているのではないかと推測する。と、そこへ、刑事部長の坂崎(小木茂光)から連絡が入り、三上から身を守るため、CD-ROMとともにあすかを青葉東署に移送するよう指示が出る。
あすかは、早速、迎えの車に乗り込むが、途中で道が違うことに気づく。運転手にそのことを告げると、運転手は無言で銃を向け、発砲した。それは、三上だった。
その頃、久遠を見舞った伊達は、病院の壁に貼られた世界地図に目をやる。そして、それを見つめるうちに、あることに気づく。
その後、捜査一課に戻った伊達に、井筒は、あすか移送のニセ情報を流したのは坂崎だったと告げる。坂崎は、三上の後輩で、世話になった三上の頼みを聞いたのだろう、と言う。
そんな井筒に伊達は、三上が「UNDERGROUND V」に入って守ろうとしていたものがわかったと話す。「ジョーカー」とは、立件できない事件の容疑者を裁いてある場所へ連れて行き、行方不明として処理する、いわゆる"神隠し"のことだと言う。そして、日本地図を広げると、CD-ROMにあった数字の羅列が、座標の表記だと指摘。現在の地図からは意図的に消されているが、座標が示す場所に実は島があり、そこに私設刑務所があるというのだ。
同じ頃、三上の自宅に連れてこられたあすかは、三上が、夏樹らを殺すに至るまでの経緯を聞く。それは、25年前、三上の妻子が殺害されたことからはじまった。妻子を殺した容疑者はすぐにわかったが、決定的な証拠が出ずに時効を迎えてしまった。そんなときに、警察OBから声がかかり、警視庁地下5階という、実在しないはずの部屋に招かれた。そこで、警察に裏の顔があることと、「ジョーカー」の存在を教えられたのだ。「ジョーカー」の最初のターゲットはその容疑者で、任務を遂行した三上は「これは、自分のような被害者遺族の救いになる」と感じたという。しかし、やがて夏樹が「ジョーカー」の全貌を明らかにしようと動きはじめた。三上は、「ジョーカー」を守るために、夏樹、さらには冴子も殺害したのだった。そんな三上にあすかは、伊達も「ジョーカー」に関わっているのか、と聞く。それを否定した三上は、本題に入ろうと言うと、自白剤入りの注射器を取り出す。あすかに、CD-ROMの在りかを言わせるためだ。CD-ROMがなくなり、証拠が消されれば、自分の役目は終わるのだ、と三上は言う。
一方、伊達の話を聞いた井筒は、伊達も「ジョーカー」なのでは、と思い当たる。もし自分の推測が正しければ伊達を逮捕しなければいけないという井筒に、伊達は覚悟はできている、と答える。
そんな頃、三上は久遠の病室に現れると、久遠のベッドの間に手を入れて、CD-ROMを取り出す。と、その手を久遠がつかんだ。三上はその手を離し、自分を裁けるのは伊達だけだ、と意味深な言葉を残して病室を後にする。
三上宅で発見されたあすかは、伊達や来栖らによって救出され病院に搬送された。
あすかを来栖に託した伊達は、車で迎えに来た久遠とともに、三上がいると思われる埠頭に急ぐ。伊達は、三上は「ジョーカー」の任務を与えられた日からずっと自分を責め続けていたのかもしれない、と久遠に話す。
埠頭の付近で車を降りた伊達は、ゆっくりと歩いていく――と、三上がいた。歩きながら伊達は、幼少時代に不幸な事件に遭った自分を、見守り育ててくれた三上のことを考えていた。伊達を認めた三上は、自分のこめかみに銃を突きつけた。それと同時に、伊達も麻酔銃を構え、すばやく発砲した。
その後、麻酔から覚めた三上に伊達は、自殺するつもりはなく、私設刑務所のある島で生きて罪を償うつもりだったのでは、と語りかける。三上は、自分の犯した罪は、自殺では軽すぎると思っていた、と明かす。
そんなとき、パトカーのサイレンが聞こえてきた。三上は、自分を刑務所に入れるつもりか、と驚くが、伊達は「法で裁ける者は法で裁く」と答える。三上は伊達に、夏樹らの殺害は組織とは無関係で自分の一存でやったことだから、"神隠し"を止めないでくれと頼む。そう言うと、パトカーから降り立ったあすかの前に行き手錠をかけられる。あすかが三上に乗車を促したとき、井筒が三上を二発殴る。殺されたふたりの分だ、と言うのだ。
1ヵ月ほど後、冴子の墓参りに来た伊達は、そこであすかに会う。キャリアのあすかは、事件後、警察庁へと異動していたのだ。伊達と言葉を交わしたあすかは、最後の質問だといって、伊達もジョーカーのひとりだったのか、と尋ねる。答えない伊達に、自分は自分のやり方で悪と戦っていく、と宣言する。
捜査一課では、来栖ら刑事たちが退職する井筒の別れを惜しんでいた。井筒とふたりになった伊達は、なぜ自分の辞表を受け取らなかったのか、と尋ねる。井筒は、それが自分の最後の仕事だと言って笑顔を見せた。自分の罪を見逃すのか、と食い下がる伊達に、人を裁くことで自分を罰しているのだから、それで十分だと答える。そんな井筒に伊達は、地下に潜る気か、と問いかける。裏組織の一員だった坂崎と、三上を逮捕はするが組織までは追求しない、その代わりに自分を組織に入れるように、と取引きしたのではないか、組織の謎を解明するため、あえて潜入しようとしているのではないか、と。しかし、井筒は答えない。
その後、伊達が久遠に呼ばれ、法では裁けない容疑者がいると報告を受ける。「俺たちがやるしかない」と言う久遠に、伊達は、決意の表情を見せた――。
そんなとき、パトカーのサイレンが聞こえてきた。三上は、自分を刑務所に入れるつもりか、と驚くが、伊達は「法で裁ける者は法で裁く」と答える。三上は伊達に、夏樹らの殺害は組織とは無関係で自分の一存でやったことだから、"神隠し"を止めないでくれと頼む。そう言うと、パトカーから降り立ったあすかの前に行き手錠をかけられる。あすかが三上に乗車を促したとき、井筒が三上を二発殴る。殺されたふたりの分だ、と言うのだ。
1ヵ月ほど後、冴子の墓参りに来た伊達は、そこであすかに会う。キャリアのあすかは、事件後、警察庁へと異動していたのだ。伊達と言葉を交わしたあすかは、最後の質問だといって、伊達もジョーカーのひとりだったのか、と尋ねる。答えない伊達に、自分は自分のやり方で悪と戦っていく、と宣言する。
捜査一課では、来栖ら刑事たちが退職する井筒の別れを惜しんでいた。井筒とふたりになった伊達は、なぜ自分の辞表を受け取らなかったのか、と尋ねる。井筒は、それが自分の最後の仕事だと言って笑顔を見せた。自分の罪を見逃すのか、と食い下がる伊達に、人を裁くことで自分を罰しているのだから、それで十分だと答える。そんな井筒に伊達は、地下に潜る気か、と問いかける。裏組織の一員だった坂崎と、三上を逮捕はするが組織までは追求しない、その代わりに自分を組織に入れるように、と取引きしたのではないか、組織の謎を解明するため、あえて潜入しようとしているのではないか、と。しかし、井筒は答えない。
その後、伊達が久遠に呼ばれ、法では裁けない容疑者がいると報告を受ける。「俺たちがやるしかない」と言う久遠に、伊達は、決意の表情を見せた――。
特別編「伊達、最初の事件」のあらすじ(ネタバレ注意)
神奈川県警捜査一課の伊達一義(堺雅人)は、拘置所にいる三上国治(大杉漣)の面会に行く。三上が警察を辞めバーを経営するようになって3年、三上は伊達にいろいろなことを背負わせてしまった、と語った――。
3年前のある日、伊達は三上のバーで、神奈川県警の中崎道彦(鶴見辰吾)に関する資料を見せられた。中崎は、暴力団員の発砲で一般人が死亡した事件の黒幕で、暴力団と関係の深い人物だった。警察は、中崎の件を掴んでいたが、警察上層部にも中崎からの恩恵に預かる人物がいて、事実を隠蔽していたのだ。警察が守っている限り、中崎を法で裁くことはできない。三上は、中崎を"神隠し"に遭わせることを決め、伊達にひとりで制裁を行うよう指示。しかし、伊達は「自分に人を裁く権利があるのか」と、思い悩む。
その後、伊達と三上は、中崎の妻・由衣(阿南敦子)が営むラーメン店を訪ねた。伊達は、そこで、中崎が息子の入院費のために、暴力団が行う不正に目をつぶり金銭を授受したことが、暴力団との関係のはじまりだったと報告。何度も自首を促したが、中崎が無視し続けていることも伝えた。と、中崎が帰宅し、金が入っている封筒を妻に渡す。伊達が、金の工面方法を尋ねると、中崎は、お前らには関係ない、と声を荒げ店を出ていく。
そんな日の夜、伊達は路地裏を歩く中崎の前に現れ、自首して罪を償え、と最後通告をするが、中崎はまったく耳を貸そうとしない。そんな中崎に、伊達はついに麻酔銃を発砲した――。
伊達が今でも中崎の妻が営むラーメン店に足を運んでいるのは、最初に人を裁いたときの気持ちを忘れないためだったのだ。
三上は、今後は、自分が決めた道を行くだけだ、と宣言する伊達に、「組織を探るな」と忠告を与える。しかし、伊達は答えずに拘置所を後にする。
同じ頃、片桐冴子(りょう)の部屋の片づけを終えた久遠健志(錦戸亮)と宮城あすか(杏)は、再会を約束し、別れる。久遠は、かつて三上が営んでいたバーに向かう。そして、そこで待っていた伊達に、警察の裏組織である「UNDERGROUND V(アンダーグラウンドファイブ)」について調べたデータを記録したというCD-ROMを掲げて見せる。と、そこへ、警察を辞めた井筒将明(鹿賀丈史)がやってくる。「何かわかったか?」という井筒に、伊達は、CD-ROMを見せ、「...始めましょうか」と言い――。
※フジテレビHPより引用