夜光の階段

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夜光の階段

 

夜光の階段の概要

2009年4月23日からテレビ朝日系列で放映。松本清張生誕100周年のスペシャルドラマとして放送される。

一介の雇われ美容師から一躍美容界の寵児になった青年の野望を描いたヒューマン・サスペンスドラマ。

己の野望を実現するためには手段を選ばない非情な青年美容師役に藤木直人が挑戦。ヒロイン役は木村佳乃。

夜光の階段 動画 (最終回の結末に注目!) 

 

 

夜光の階段の主題歌


藤木直人  「CRIME OF LOVE」 

 

 

夜光の階段の出演者

佐山 道夫 ...... 藤木 直人
枝村 幸子 ...... 木村 佳乃
福地 フジ子 ...... 夏川 結衣
村瀬 進太郎 ...... 渡辺 いっけい
村瀬 みな子 ...... 荻野目 慶子
岡野 正一 ...... 石井 正則
岡野 和子 ...... 三浦 理恵子
桜田  健 ...... 高知 東生
桑山 亜希 ...... 田丸 麻紀
丸岡 房江 ...... 余 貴美子
波多野 雅子 ...... 室井 滋
桑山 信爾 ...... 小林 稔侍 

 

 

夜光の階段のスタッフ

原作:松本清張
脚本:竹山洋
音楽:吉川清之
監督:藤田明二

 

 

夜光の階段の視聴率

各話 放送日 サブタイトル 視聴率
第1話 2009年4月23日 野望 12.5%
第2話 2009年4月30日 告白 10.7%
第3話 2009年5月7日 飛躍 9.7%
第4話 2009年5月14日 策略 9.8%
第5話 2009年5月21日 殺意 10.1%
第6話 2009年5月28日 殺害 9.6%
第7話 2009年6月4日 隠滅 10.4%
第8話 2009年6月11日 自決 10.8%
最終回 2009年6月18日 英断 12.1%

 

 

夜光の階段のあらすじ 最終回 ネタバレ注意!

第1話「野望」のあらすじ

ある春の雨の日、美容室『ムラセ』では店主・村瀬進太郎(渡辺いっけい)の罵声が響いていた。客に高級時計を贈られた美容師の佐山道夫(藤木直人)をホストのようだとなじっているのだ。実際、道夫には女心をくすぐる美貌と、客を満足させる美容師としての腕が備わっていた。そんな道夫に吸い寄せられるように、枝村幸子(木村佳乃)が店に入ってくる。たった今、店先で男と別れたばかりの幸子だったが、その心はすでに道夫に魅せられていた。だが、幸子が『女性回廊』の編集者だと知るや否や、村瀬は自分が担当すると言い出す。

編集部に戻った幸子は、友人で『フラッグ』編集者の福地フジ子(夏川結衣)に、新しい髪型が気に入らないと愚痴をこぼしていた。だが、やり直してもらうと幸子が出した道夫の名刺を見たフジ子は、なぜか顔を強張らせる。

同じ頃、東京高等検察庁では、検事の桑山信爾(小林稔侍)が、5年前に九州で起きた殺人事件の犯人が病死したとの一報を受けていた。犯人の名は蓮田重男。藪の中で女性を絞殺した罪で、当時福岡地方検察庁にいた桑山が起訴したのだが、自供を得ることも、刑事責任を問うこともできなかった。蓮田の死に衝撃を受ける桑山に、同僚の丸岡房江(余貴美子)は「他に容疑者がいたのでは?」と問う。否定する桑山だったが、事件後、福岡から姿を消したという美貌の青年の存在があったことを房江に打ち明ける。

数日後、道夫は福岡にいた。以前よく出向いた川辺で物思いにふける道夫の脳裏には、少年のころの記憶がよみがえる。闇夜を照らす燃え盛る炎、その炎にまとわりつく蛾や蝶が、やがて火柱の中に落ちていく......。

帰京後、道夫は新人ヘアデザイナーのコンクール用のヘアスタイルを完成させる。自らの記憶にインスピレーションを得た、炎のように赤いヘアスタイル。タイトルは"夜光"。村瀬も認める完成度の高さに道夫は自信を深めるが、受賞を逃してしまう。賞を取るには、実力以上に権力と金が必要と痛感した道夫は、興味を示していたはずの幸子を冷たく突き放すと、社長夫人で自分に入れ込んでいる客・波多野雅子(室井滋)との距離を縮めていく。その胸には、雅子の出資で自分の店を持つという野望があった。だが、独立を疑う村瀬の妻・みな子(荻野目慶子)には、「裏切るようなことはしません」と忠誠を誓うのだった。

ある日、雅子と一緒に自由が丘の物件を見に行った道夫は、置いてあった写真週刊誌の記事を見て凍りつく。その記事には、桑山が5年前に担当した殺人事件のことが書かれていた。雅子が止めるのも聞かずに走り出した道夫は、昨夜、幸子がメールで指定してきた待ち合わせの店へと向かう。そして、なぜか幸子への態度を急変させ、愛を語るという第三の顔を見せるのだった。

バーで飲んだ帰り、幸子のマンションに招き入れられた佐山は、部屋にもう一人いることに気づく。中性的な雰囲気を漂わせるフジ子だった。佐山を見て顔色を変え、震えながら部屋を出て行くフジ子。佐山はそんなフジ子を気にも留めず、豪華な部屋の中に見入る。室内には有名人の絵画や書が飾られ、向上心を刺激された佐山は、幸子を抱き寄せる。表通りからは、幸子の部屋の明かりが消えるのを、硬い表情でフジ子が見つめていた。

事が終わり、シャワーを浴びた幸子に「ここへは二度と来ないで」と冷たく追い出された道夫は、帰り道で検問中の警察官に呼び止められるが、フジ子の登場で、すぐに解放される。フジ子は道夫の後ろを歩きながら、意味ありげにつぶやく。「いま、一人の殺人犯が追われている。かなり以前のことだった。その時の犯人は追われていない......」その言葉に、思わずフジ子の顔を凝視する道夫で......。

 

第2話「告白」のあらすじ

ある日、店に出ていた道夫(藤木直人)は、訪ねてきた刑事らに任意同行を求められる。道夫が二年前に起こした暴行事件の被害者が告訴したというのだ。アシスタントの柳田(増田修一朗)から連絡を受けた幸子(木村佳乃)は悩んだ末、道夫が保釈されるよう、友人のフジ子(夏川結衣)に協力を頼み、マスコミの力で道夫を釈放させる。だが、保釈された道夫を警察署の前で待っていたのは、雅子(室井滋)だった。道夫が迎えに来て欲しいと連絡をしたのだ。幸子との仲を疑う雅子に、道夫は「彼女とは会っていない」と答える。

その頃、東京高等検察庁では、桑山(小林稔侍)と房江(余貴美子)が、事務官の桜田(高知東生)から、5年前に桑山が担当した事件について佐賀まで行って調べてきたという報告を受けていた。元刑事の桜田は執念深い男で、5年前の事件と道夫の接点を見つけ、真相を暴くため半ば別件をでっち上げて道夫を取り調べようとしたのだった。それを知った桑山は、「もう絶対にやめてくれ」と言い放つ。

その夜、道夫は村瀬(渡辺いっけい)とともに幸子行きつけのバーを訪れる。店に幸子の姿はなく、フジ子が一人で原稿を書いていた。道夫の独立話を耳にしていた村瀬は、顧客を多く持つ道夫が店を辞めることを恐れ、心とは裏腹に好条件を提示する。だが、男の嫉妬も相まって次第に道夫に絡み始める。そんな村瀬を、突然フジ子が追い出した。

村瀬が帰った後、フジ子は道夫の顔を覗き込みながら、「あなた宮坂さんじゃない?」と言い出す。宮坂とは5年前の事件直後、姿を消した男の名だった。否定する道夫に、「幸子と幸せになって」と急に話題を変えるフジ子。その後も続くフジ子の奇妙な発言に戸惑った道夫は店を後にする。一方のフジ子は、道夫との会話を秘かに録音していて......。

数日後、ムラセに復帰した道夫は、幸子に頼まれ来店したという女優の藤浪竜子(赤座美代子)の髪を扱うことに。道夫の噂どおりの美貌と腕にすっかり魅了された竜子は、その場で道夫を自分付きのヘアメイクに任命する。

同じ頃、幸子は雅子の突然の訪問を受けていた。雅子は精一杯に道夫の保護者を気取り、幸子に道夫と別れるよう迫る。滑稽な思いで雅子の話を聞いていた幸子は、「彼が一番好きなのは私」と言い切ってみせると同時に、もう会わないと断言。幸子のプライドが雅子の気合いを凌駕する。

ほどなく、道夫は雅子の出資で自由が丘に店舗を購入。開店準備と竜子との打ち合わせに忙しく、確かに幸子とは疎遠になっていた。ところが、偶然の再会を機に二人の気持ちは一気に加速する。危うさを感じつつも、道夫に溺れて行く幸子。道夫のアパートに泊まった幸子は、隣の部屋に住む岡野(石井正則)に、「フィアンセです」とあいさつする。そんな幸子に戸惑いつつ、道夫もまた幸子を愛し始めるが、スポンサーである雅子を蔑ろにはできずにいた。

ある夜、ついにみな子(荻野目慶子)に独立の話を打ち明け、辞職を申し出た道夫は、怒ったみな子からと罵られたことで、封印してきた過去を幸子に打ち明けることを決意する。

幸子を部屋へと呼び出した道夫は、「僕が嫌だったら黙って部屋から出ていって」と前置きをすると、5年前に九州の天拝山で村岡トモ子(原幹恵)という女性を殺してしまったと告白。「殺す気はなかったが、気がついたら死んでいた。自分は逃げて逃げて、いま此処にいる。いったい自分はどうしたらいい?」と、涙を浮かべながら告白する道夫に、混乱した幸子は、「私をためそうとしているんでしょ?」と答える。

道夫が言葉を続けようとしたその時、フジ子が会社を出る直前、腕にはめてくれたブレスレットを見た幸子は、突然外へと飛び出す。アパートの外には、フジ子の姿があった。フジ子は二人の会話を盗聴していたのだ。続けて外に出てくる道夫。その三人の姿を、近くに停めてあった車の中から桑山が見つめていた......。

 

第3話「飛躍」のあらすじ

道夫(藤木直人)は、夢にまで見た自分の店のオープンを間近に控え、一層の野望に燃えていた。だが、店の名義人は雅子(室井滋)のまま。スポンサー顔で奉仕を強要する雅子は、道夫にとっていまや疎ましい存在となっていた。

幸子(木村佳乃)の尽力でマスコミへの露出も増え、女優・竜子(赤座美代子)の知名度も手伝い、道夫の評判は瞬く間に世間に広まる。そして迎えた開店当日。マスコミはこぞって道夫の店に詰めかけ、オープニングセレモニーを大々的に取り上げる。その中には雅子や幸子、竜子はもちろん、新しい顧客で料亭の女将・竹崎弓子(南野陽子)の姿もあった。フラッシュの嵐を浴び、華麗な笑みを浮かべる道夫を愛おしそうに見つめる女たち。その中でフジ子(夏川結衣)だけは、ひとり複雑な表情を浮かべていた。
 
同じ頃、桜田(高知東生)の訪問を受けた桑山(小林稔侍)は、道夫に群がる女性の存在を知り、胸騒ぎを覚えていた。しかも、上層部から5年前の事件を蒸し返すようなことはするなと圧力をかけられてしまう。

二年後。道夫は美容界の頂点に立つべく、着実に階段を昇っていた。そんなある日、竜子の福岡公演にヘアメイクとして同行した道夫は、空港で偶然にも先輩検事の法事に出席するため福岡を訪れていた桑山と房江(余貴美子)を見かける。二年前、自分のアパートの前にいた桑山の顔を覚えていた道夫は、桑山が検事であることを知り、胸騒ぎを覚えるのだった。空港には幸子の姿もあった。二年前とは違う、気取りも知的な見栄もない、肉欲と嫉妬の強い女と化した幸子は、仕事を休んでまで道夫を追いかけてきたのだ。

その夜、幸子の待つ旅館へとタクシーで向かった道夫は、運転手から「お客さんは宮坂さんやなかと?」と声をかけられる。木工職人時代の同僚・江頭(伊東孝明)だった。道夫と旅館の女将らの会話から、道夫が竜子のコンサートのヘアメイクをやっていると知った江頭は、道夫にチケットを取ってほしいと言い出す。ずうずうしいと思いつつも、江頭は自分の過去を知る人物たけに、道夫は了承するしかなかった。部屋で待っていた幸子は、早速道夫の行動を詮索。幸子の濁った目は、道夫に忌まわしい過去を思い出させる。

翌朝、雅子が福岡に来るとの連絡が入る。幸子とのニアミスを避けようと画策する道夫だったが、雅子はなんと道夫の到着前に、竜子の楽屋に到着していた。動揺する道夫に構うことなく、竜子の目の前で早急な五千万円の返済を迫る雅子で......。

一方の幸子は、道夫が人を殺したと言っていた天拝山へと向かう。そこには、桑山と房江の姿もあった。二人が道夫の言っていた検事だと直感した幸子の脳裏に、一度は嘘だと信じた道夫の告白がよみがえってくる。さらに、房江の「7年前に村岡トモ子さんという女性が首を絞められて亡くなっていたんです」という言葉に、道夫の告白が真実だったと確信する幸子。

夕方、道夫と合流した幸子は、道夫を「人殺し」と罵る。「あんな話は俺の作り話だ。この俺が人殺しだって、本当にそう思っているのか」と迫る道夫に、涙を浮かべながら「会社を辞めてあなたのプロデューサーになる」と言い放つ幸子。そのすぐ傍に、激しくやり合う二人を冷やかな表情で見つめる雅子の姿があった......。

 

第4話「策略」のあらすじ

福岡までやってきた雅子(室井滋)から、店の出資金の半分である五千万円の返済を迫られた道夫(藤木直人)は、店を担保に金を借りて返すといい、雅子から実印を預かることに。そんな二人の話し合いに同席していた幸子(木村佳乃)は、道夫を放そうとはせず、帰京も順延。道夫は竜子(赤座美代子)の仕事に行くことすらできない。さらに、納得して東京に帰るはずだった雅子が、実印を取り戻すつもりで福岡に残っていることも、道夫を苦しめる。

翌日、幸子をようやく東京に帰した道夫は、その足で雅子のもとへと向かう。一度は道夫を疑い、実印を返してもらおうと思っていた雅子だったが、道夫に抱き寄せられ、その意思を変えてしまうのだった。

その頃、東京に戻った幸子は、フジ子(夏川結衣)に退職の意思を伝える。仕事を辞め、道夫の傍にいたいという幸子。そんな幸子に、フジ子は8年前から自分の心に住み続けているという男性の話を始める。

その夜、帰京した道夫は、弓子(南野陽子)の料亭で、雅子の実印を手に顧問弁護士の横田(升毅)と会っていた。雅子の承認済みだと嘘をつき、店の名義変更を依頼する道夫。全身の毛穴が開くような感覚の中、道夫は書類に実印をつく。

数日後、道夫の企みを、夫・伍一郎(団時朗)から聞かされた雅子は愕然。すぐさま道夫の部屋を訪れ、「弁護士に相談して警察に行くわ。覚悟しておきなさい!」と捨て台詞で去って行く。その錯乱ぶりを目撃していた隣人の岡野(石井正則)に、「あの人、自殺してしまうかもしれないよ」と呟く道夫。

その数日後、フジ子が道夫のもとを訪ねてくる。幸子が出版社を辞めたと報告に来たのだ。社長室で道夫に親しげな弓子の姿を見たフジ子は、嫌悪感を露わにする。雅子が遺書めいた書置きを残して失踪したのは、この日の午後のことだった。だが、伍一郎は警察に届けることなく、その翌日、道夫の店を訪れると、「雅子が書置きを残して姿が見えなくなったため、自殺をするかもしれないので探している」と告げる。「年下の悪い恋人に何千万円も貢がされて騙されたと泣いていた。心当たりはないか?」と続ける伍一郎だったが、道夫は冷静に否定。伍一郎はそのまま帰って行くのだった。

居合わせた幸子は道夫を問い詰める。昨夜、道夫は幸子の部屋にやってくることはなく、代わりに岡野に伝言を頼んでいたのだ。さらに、幸子は道夫の腕と手の甲に貼られたバンドエイドにも疑念を抱いていた。女にひっかかれた痕ではないかと疑う幸子に、傷は酔って倒れたときにできた傷だと言い訳する道夫。「僕はこの世に君だけしかいない。信じてくれ」と必死に語るものの、まだ半信半疑の幸子に、道夫は「婚約しよう」と告げる。その言葉に、笑顔を取り戻す幸子。

そして、雅子が失踪してから一週間後。御岳で雅子の遺体が発見された。房江(余貴美子)から雅子が首を吊って自殺したとの報告を受けた桑山(小林稔侍)は、道夫の犯行だと確信。8年前の事件で、自分が彼を逮捕しなかったことを深く悔やむ。

同じ頃、幸子は道夫から婚約指輪を受け取り、二人は正式に婚約した。祝杯をあげる二人の前にフジ子が現れる。雅子が遺体で発見されたと伝えに来たのだ。重い表情で席を外す道夫。残された幸子に対し、フジ子は「おめでとう。佐山さんはあなただけの人になったわね」と無表情で祝福する。その後、店を出た道夫は幸子の手を握り、結婚式について饒舌に語る。道夫への疑念を振り払い、幸せな結婚を夢見る幸子。そんな二人の姿を離れた場所から凝視するフジ子で......。

 

第5話「殺意」のあらすじ

雅子(室井滋)の死を警察が自殺と断定した頃、道夫(藤木直人)は幸子(木村佳乃)との婚約を発表。順風満帆な道夫の姿は、マスコミを賑わせていた。そんな中、道夫は雅子の夫・伍一郎(団時朗)から連絡を受け、波多野家を訪れる。道夫が雅子を殺害したと確信する伍一郎。彼は雅子が言っていた自分の愛人の話はでたらめだと言い、借金の返済を帳消しにする代わりに、雅子のことはすべて忘れるよう言い放つ。こうして、雅子の死の真相は、不都合な真実を封じ込めたいと考える者同士の密約の中に葬られた......。
 同じ頃、フジ子(夏川結衣)に、検察事務官の桜田(高知東生)が接触してくる。雅子は道夫に殺されたと熱弁を振るう桜田。しかし、フジ子はその説を否定。雅子の死亡推定時刻、道夫は自分と一緒にいたと嘘のアリバイを伝えるのだった。

その夜、弓子(南野陽子)から新店舗の出資金を受け取るため、ホテルのラウンジにいた道夫のもとにフジ子から雅子のことで話があるから自宅に来てほしいとの連絡が入る。リビングの壁一面に貼られた自分の写真に驚く道夫に、フジ子はアリバイの口裏合わせを提案。そして、自分と道夫との接点について初めて口を開く。

昔、堕胎手術のために佐賀の病院に入院していたフジ子は、そこで道夫と会っていたのだ。男に捨てられ、病室のベッドで泣いているフジ子に「元気を出して」とお地蔵様を握らせた道夫。死にたいと思っていた自分を励ましてくれた人。フジ子はそれから道夫のことをすべて調べ上げ、その存在を拠り所にいままで生きてきたのだった。道夫が大好きな幸子と結婚することも自分にとって喜びだという。そんなフジ子の告白に衝撃を受け、複雑な思いを抱く道夫。

その頃、一人道夫の帰りを待ち望む幸子は、惨めな気持ちを持て余していた。美容界のカリスマになり階段を昇っていく道夫と、会社を辞め、男に依存して生きていく自分。このままでは捨てられてしまうのではないか。不安に駆られた幸子は、道夫の隣人の岡野(石井正則)を呼び出すと、道夫が浮気していると相談を持ちかけ、特に6月10日の行動について確かめて欲しいと懇願。幸子の魅力に取りつかれている岡野は、猟犬のように道夫の行動を調べ始める。

一方、岡野があちこち調べ回っていることを知った道夫は、幸子の仕業だと確信し、岡野が幸子に報告することを知りつつ、彼の前で弓子と親しげにしているところを見せつける。岡野が幸子に報告するのも計算尽くだった。嫉妬する幸子を捨ててやろうと思っていたのだ。

岡野から雅子が行方不明となった6月10日の道夫の行動について報告を受けた幸子は、道夫が雅子を殺害したと確信。永遠に道夫を束縛できる ―― 幸子の眼にはうれし涙が浮かんだ。所轄の警察に行き、事件の詳細を尋ねる幸子。警察は自殺と断定しているため、捜査は完全に終わっていたが、幸子は現場に向かう。その帰り道、東青梅の駅の側で中華料理店を見つけた幸子は、道夫と雅子がその店に立ち寄ったことを確認。さらに、道夫が店の前でトラックの運転手・黒沢三郎(浜田学)とケンカしていたことも判明する。

その夜、引っ越しパーティ帰りの酔った道夫が幸子のマンションへとやってくる。口うるさい幸子に別れを切り出す道夫。逆上した幸子は、自分がいなければ道夫はここまでにはならなかったと豪語し、自分が昼間調べてきたことを道夫に突きつける。

その場に座り込み、「波多野さんが殺してくれと言ったんだ」と呟く道夫。そんな道夫の手を取り、このことを知っているのは自分だけであり、自分が道夫を守ると告げる幸子。

「一生僕は君の奴隷だ......」幸子にキスをしながら、彼女への殺意を抱く自分を予感する道夫で......。

 

第6話「殺害」のあらすじ

道夫(藤木直人)は青山に新しい『サヤマビューティルーム』をオープンさせる。女優や政財界の有力者、文化人が競って会員となり、開店資金を出資。そのことはマスコミにも書き立てられ、道夫は開店資金の調達だけでなく話題づくりにも成功する。だが店には、オーナーのように振る舞う幸子(木村佳乃)の姿があった。村岡トモ子(原幹恵)殺害に加え、雅子(室井滋)も道夫が殺害したと知った幸子は、彼の運命は自分の手の内にあると自信を取り戻し、道夫をがんじがらめに束縛していた。

そんな幸子に、依然として道夫の動向をうかがっていた桑山検事(小林稔侍)が接触を図ってくる。桑山は桜田(高知東生)の調査により、幸子が道夫の足取りを追って青梅に行ったことを知っていた。そんな桑山に対し、幸子は「道夫は雅子に頼まれて青梅駅まで車で送っただけ」と答え、道夫を侮辱するなら告訴すると毅然と答える。二人のやり取りを見ていた道夫は安堵の表情を浮かべるが、「あなたの首には私の縄がかかっているんだから」という幸子の言葉に痛めつけられる。

そんなある日、道夫は地方での仕事に、取材の名目でフジ子(夏川結衣)を呼び出す。これまでと違い、きちんとメイクをして道夫の前に現れるフジ子。フジ子の告白以来、二人の間には違う時間が流れ始めていた。それでもどこか警戒気味のフジ子に、道夫は「幸子と別れたい」と相談を切り出す。道夫にキスされ、気を失うフジ子。道夫は彼女の心までも我がものにしてしまうのだった。

同じ頃、幸子は弓子(南野陽子)の料亭にいた。道夫をめぐってにらみ合いになる二人。そこへ弓子のパトロンが乗り込んでくる。幸子が弓子と道夫の関係を告げ口したのだ。パトロンに突き放され、顔面蒼白となる弓子。その数日後、弓子は自ら命を絶ってしまう。

弓子が死んだことで、マスコミからスキャンダルのターゲットとされた道夫は、外も歩けない状態になる。フジ子はそれを押さえ込もうと情報操作に奔走するが、騒動を引き起こした幸子本人は悪びれもせず、ウジ虫を退治したと居丈高に振る舞い、道夫の給料にまでも口を出すように。

さらに、道夫がフジ子を誘惑したと直感した幸子は、村岡トモ子殺害を自白する道夫の録音声を突きつけ、彼を一層縛り付けようとする。だが、その行動こそが、道夫の中にあった幸子への殺意を確実なものとしてしまうのだった。

幸子の殺害を決意した道夫は、フジ子に岡野(石井正則)の取材を依頼。"鬼才・岡野正一"と紹介された岡野のもとへ、食品会社のキャンペーンポスターの仕事が舞い込む。幸子にも励まされ、当初は張り切っていた岡野だったが、身の丈に合わない大きな仕事を抱え、プレッシャーに押しつぶされそうになっていた。さらに、道夫の動向を探る幸子にその後も度々呼び出され、その帰りに漂う香水の匂いに、妻の和子(三浦理恵子)も気づいてしまう。だが、それこそが道夫の狙いだった。

ある夜、フジ子の自宅を訪ねた道夫は、幸子に男がいると嘘をつき、男がいるときに彼女のマンションに乗り込むため、アリバイ作りに協力して欲しいと依頼。そして幸子には、その日、幸子のところにポスターを届けるよう岡野への伝言を頼むのだった。

事件当日。道夫はフジ子の到着を待ち、幸子のマンションへと向かう。その直後、社長室の電話が鳴った。道夫を待つ幸子がかけてきたのだ。その瞬間、道夫の真意に気づいたフジ子は、衝撃を受けつつも、道夫の頼み通り、アリバイ作りに協力する。一方、幸子の部屋に到着した道夫は、靴のプレゼントにはしゃぐ幸子の首にスカーフを巻きつけると、涙を流しながら絞め上げる。そして、自分が部屋を訪れた痕跡を消すと、慌てて部屋を出ていくのだった。

入れ違いにやってきた岡野は、鍵の掛かっていないドアを開け、部屋の中へと入っていく。そして、ソファーに倒れている幸子の顔に置かれた帽子を外した岡野は、涙を流しながら息絶えている幸子の姿に驚がくし、悲鳴を上げながら逃げ出してしまう。

フジ子が待つ社長室へと戻った道夫は、幸子の部屋から持ち出したボイスレコーダーを再生する。そのとき、道夫の携帯が鳴った。岡野からだった。電話に出たフジ子の声に戸惑う岡野。そして転がるようにアパートに戻ると、布団をかぶって震え出す。その頃、道夫はフジ子の胸に抱かれ、幸子を想いながら静かに涙を流していた......。

 

第7話「隠滅」のあらすじ

道夫(藤木直人)が幸子(木村佳乃)を殺害した翌日、警察から道夫のもとに連絡が入る。幸子の遺体を確認した道夫は、岡野(石井正則)が幸子に夢中だったと証言。岡野は道夫によって巧妙に仕組まれた罠にはまり、幸子殺害の容疑で逮捕される。物的証拠、目撃者の存在に加え、妻の和子(三浦理恵子)までもが、その夜はもちろん、最近では頻繁に、岡野から幸子の香水の香りがしたと証言し、房江(余貴美子)は岡野の起訴を決定。事件の直前、房江は高等検察庁から東京地方検察庁に移動となっていたのだ。

約束通り、道夫はフジ子(夏川結衣)の髪を切る。「幸子は弱かった。あなたを愛しきれなかった。私は死んでもあなたを守ってみせる」そう宣言するフジ子だったが、その言葉通り、見事なまでに道夫のアリバイ作りを援護し、道夫が容疑をかけられることはなかった。だが、桑山(小林稔侍)と桜田(高知東生)だけは、道夫が犯人だと確信。桑山は天拝山事件以来の無念を晴らすため、検事を辞職し、岡野の弁護士となる意志を固める。

岡野への取り調べは壮絶を極めた。和子が別れるつもりでいると知らされた岡野は、和子に会いたい一心で、やってもいない殺人を自供。嘘の供述を重ねていく。計画通りに岡野が自供したことで、殺人の罪から解放され、安堵する道夫。世間は婚約者を殺されたかわいそうなカリスマとして道夫に同情を寄せ、店はますます繁盛する。

一方の桑山は小さなビルの一室に弁護士事務所を開所。事務官を辞めた桜田と娘の亜希(田丸麻紀)も桑山を手伝うことに。

それから数日後、道夫のもとに、雅子(室井滋)が死んだ日に、雅子と一緒にいる道夫を見たというトラック運転手・黒原(浜田学)から一通の手紙が届く。そこには、現在自分はタクシー運転手をしており、幸子が殺害された夜、信濃町から道夫をタクシーに乗せたと書いてあった。フジ子は手紙の内容に不自然さを感じ、会うのを止めるが、道夫はその男に会いに行く。

待ち合わせ場所にいたのは、確かに雅子を殺害した日に口論をしたトラック運転手だった。だが、タクシーに乗ったのは自分ではないと否定する道夫に、黒原は婚約者である幸子のマンションから出てきたから道夫に違いないと反論。そこにフジ子が現れ、誰に頼まれのかと黒原を問い詰める。さらに、狼狽する黒原がしている腕時計をボイスレコーダーだと直感。フジ子は黒原に突き飛ばされてしまうが、道夫は必死にその腕時計を奪い取るのだった。

同じ頃、桑山は岡野と接見していた。国選弁護人として弁護をすることになったと告げる桑山に、岡野は和子との面会を要求。だが、和子が失踪したことを聞かされた岡野は、突然「僕は幸子さんを殺していない。和子に会わせてやるからと言われ、自供しただけだ。僕は犯人じゃない!」と叫び出す。

その足で道夫の店を訪れた桑山は、検察を辞めたこと、岡野の弁護を担当することを告げる。そして、岡野が自供をくつがえしたことを報告すると、黒原から奪ったレコーダー付の腕時計を返すよう要求し、トモ子、雅子、そして幸子を殺した罪を暴くと宣言するのだった。

店の中に戻った道夫は、社長室に鍵をかけると、幸子のボイスレコーダーを手に取る。幸子にトモ子殺害を告白する道夫の声が録音されたレコーダーだ。部屋の中にいたフジ子は道夫の手からそれを奪うと、火をつけた。店の外にいた桑山と桜田は、社長室で何かが燃えているのを発見し、社長室まで駆け上がると、ドアを激しく叩く。部屋の中では、道夫が燃えていくボイスレコーダーを見つめながら、すべてを知っているフジ子もまた殺すことになるのだろうかと自問自答していた......。

 

第8話「自決」のあらすじ

幸子(木村佳乃)殺しの裁判で、岡野(石井正則)を弁護することになった桑山(小林稔侍)は、幸子殺害に残る疑惑を、雑誌『女性回廊』に掲載しようと画策していた。

一方の道夫(藤木直人)は、かつて勤めていた『ムラセ』のオーナー夫人・みな子(荻野目慶子)の導きで、日本を代表する総合美容チェーン『ビューティーナカヤマ』の会長・中山早苗(池内淳子)との面会をはたす。道夫の美しさだけでなく、飽くなき野望にも魅せられた早苗は、巨大美容チェーンの後継者に道夫を指名。二人は契約の口づけを交わす。

さらに早苗は、道夫にフジ子(夏川結衣)との結婚式を勧める。驚くフジ子とは対照的に、快諾する道夫。フジ子は愛する道夫との結婚に喜びを感じつつも、戸惑いを隠せない。さらに幸子のことを思い躊躇するフジ子に、道夫は「結婚するか、殺されるか、どちらかを選べ」と言い放つ。

翌日、二人は結婚式を挙げる。その記事は各紙のトップを飾った。さらに、道夫が『ビューティーナカヤマ』の後継者に指名されたことを発表したため、同じタイミングで発売された『女性回廊』の道夫の疑惑を報じる記事は、世間の注目を集めること無く不発に終わってしまう。

その数日後、青山の店にみすぼらしい様相の女性が現れる。それは、道夫が6歳のときに失踪した母・槙子(柏木由紀子)だった。余命わずかという槙子の髪を切り、フジ子とともにもてなす道夫。しかし、そんな道夫に、槙子は「あんた、やったよね」と、幸子殺しの疑いの目を向けるのだった。

そんな中、いよいよ幸子殺害事件の公判が始まる。岡野は自供を覆していたが、房江(余貴美子)は検察の威信にかけて岡野犯行説を立証するため、岡野の妻・和子(三浦理恵子)を証人として召喚する。和子の姿を見た途端、取り乱す岡野。

第一回公判後、道夫の過去について再調査していた桜田(高知東生)は、道夫とフジ子の接点に辿り着いたことを桑山に報告。二人の過去を知った桑山は、フジ子を弁護側の証人として召喚することに。証人要請の封書を受け取り、不安を感じるフジ子。さらに、槙子の病室にまで自分を探しに来た桑山に、更なる不安を募らせる。

一方、道夫は房江に銀座のバーに呼び出される。その店は、亡き雅子(室井滋)の夫・伍一郎(団時朗)が愛人にやらせている店だった。近々、再婚するという伍一郎は、雅子のことや再婚について騒ぎ立てられても困ると怪訝な顔で道夫と房江を追い返す。

帰り道、自分が疑問に思っていることを道夫にぶつける房江。雅子の死は伍一郎にとって都合がよかったのではないか。それならば、道夫に疑念を抱いても他人には言わない。しかし、幸子がそのことを疑ったとしたら、どうなるのだろうか......。岡野を起訴したものの、房江の中にも道夫への疑念が生まれていたのだ。

房江に疑われていることを知り、不安を隠せない道夫はフジ子に当たるが、そのフジ子も、「私、死んじゃおうかな」と口にするほど、不安に苛まれていた。

そして、幸子殺害事件の第五回公判当日。弁護側の証人として証言台に立ったフジ子は、桑山から佐賀時代の道夫の関係を問いつめられ、辛い過去を暴かれてしまう。房江は女性として看過できないと桑山の追求を阻止しようとするが、フジ子は自分の意志で告白を続ける。その言葉には、道夫への愛と盲従が込められていた......。

これで、フジ子が証言した道夫のアリバイの信憑性を問える。それが桑山の狙いだった。だが、フジ子は槙子の病室に寄った後、自宅に房江宛の長い手紙を残し、姿を消してしまう。同じ頃、道夫は早苗の後継者として、『ビューティーナカヤマ』グループの美容師たちの前で意気揚々とあいさつをしていた。そんな道夫の耳にフジ子が行方不明になったとの連絡が入り......!?

 

最終回「英断」のあらすじ(ネタバレ注意)

房江(余貴美子)に遺書めいた手紙を残し、フジ子(夏川結衣)が失踪した。その直後、道夫(藤木直人)の母・槙子(柏木由紀子)の容態が急変してしまう。病室で母を見守る道夫のもとに、フジ子から連絡が入る。彼女が無事だったことに安堵したのか、槙子はフジ子との短い会話の後、静かに息を引き取るのだった。

フジ子がいるという山中湖へ急行し、彼女と再会した道夫は、裁判ですべてを打ち明けると告白する。だが、フジ子はそれを受け入れることなく、「どんなことをしてもあなたを守る」と言い残し、自ら湖に身を投げてしまう。続いて、湖に飛び込む道夫。だが、助かったのは道夫だけだった。病院のベッドで目を覚ました道夫は、フジ子の訃報に愕然とする。しかも、警察は道夫がフジ子を湖に突き落としたと疑っているらしく、フジ子の遺体は検証のため解剖に回されてしまう。

その頃、地検では岡野(石井正則)が心神喪失状態で裁判を続けるのが難しいとの判断が下されようとしていた。このまま起訴が取り下げられてしまえば、道夫の罪を暴く機会が失われてしまう。頭を抱える桑山(小林稔侍)のもとに、娘の亜希(田丸麻紀)が、和子(三浦理恵子)を連れてやってきた。和子に励まされた岡野は表情を一変させ、自分は幸子(木村佳乃)を殺していないと力強く答える。事件当夜の記憶を取り戻したのだ。

数日後、フジ子と槙子の葬儀が執り行われた。焼香に訪れた桑山を責める道夫。そして、裁判は続行されることになった。美容界のトップに立つという自分の野望を叶えるため、ビューティーナカヤマを継ぐために、早苗(池内淳子)と共にニューヨークへ向かうという意欲を見せる道夫。それは、すべてを賭してくれたフジ子の想いに報いることでもあった。ニューヨークへのフライトを夜に控えたその日、すべての準備を終えた道夫は、証人席に着く。道夫にとって運命の裁判、幸子殺害事件の第7回公判が始まった......。

なぜかスクリーンには、雅子(室井滋)の写真が映し出されており、桑山は雅子が失踪した日、一緒に青梅に行ったかと尋ねる。さらに、道夫が雅子を殺害したと言わんばかりの質問を続ける桑山に、冷静に答えていく道夫。

続いて、検察側による尋問が行われる。房江が朗読したフジ子の手紙には、自分が幸子を殺害したと書かれていた。だが、道夫はフジ子が幸子を殺すはずはないと答える。自分を救うために書いた嘘だと続ける道夫に、「では、あなたが犯人なの?」と問う房江。自分ではないと否定する道夫に、桑山は「お前が殺したんだ!」と声を荒げる。

あくまでも幸子殺害を否定する道夫。幸子もフジ子も自分を応援してくれた。だから、自分はニューヨークに行かなくてはならないと言い切ったその時、突然、村岡トモ子殺害を告白する道夫の声が流れる。幸子が遺したパソコンの中に、データが残っていたのだ。作り話だと誤魔化し、法廷を去ろうとする道夫に、桑山は母・槙子がなぜ道夫に会いに来たのかを問う。「知らない」と答える道夫。すると桑山は「敦夫、あんた、やったんだろ」とつぶやいた。それを聞いた道夫の脳裏に、「あなた、やったよね」という槙子の言葉がよみがえる。さらに桑山は、「母は正直に罪を告白し、償って欲しかったのではないか。しかし、そのことを言えないまま亡くなってしまった。悲しかろう。親らしいことを何ひとつできなかったからな」と続ける。それを聞いた道夫は証人席に戻ると、涙を流しながら告白するのだった。
「フジ子は殺していません。他の三人は私が殺しました」

「フジ子は母の魂に誓って殺していない。僕はフジ子を愛した。信じた。そのことを母は本当に喜んでくれていると思う」
 道夫はフジ子がずっと大切にしてきたお地蔵様を握りしめながら、涙を流した。その言葉に房江は安堵し、桑山は「お前とは長い付き合いだったな」と言葉をかける。

道夫の脳裏には、フジ子の「波多野さんも幸子も私も、あなたの野望の光に吸い寄せられた、蝶のようなものだった」という言葉がよみがえっていた。

閉廷後、みな子(荻野目慶子)が早苗に携帯電話で報告をする横を、道夫が通り過ぎる。道夫は自分の店に向かおうとしていた。だが、刑事に身柄を拘束されてしまう。外では、道夫の野望の火を消すかのように、強い雨が降っていた......。

※テレビ朝日HPより引用

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